マーリンズも黒田争奪戦に参戦へ
メジャーリーグのGM会議が、現地時間11日(日本時間12日)からアリゾナ州フェニックスで開催される。ミーティングに備えて、現地アリゾナ入りしたマーリンズのジェニングスGMは9日、去就が注目されるヤンキースの黒田博樹投手(39)のリストアップを明かした。 今オフの補強ポイントとして、同GMが挙げたのは、中軸を打てる野手と、ベテランの先発投手。「若い先発人のお手本となってくれるベテランの先発投手が欲しい」と。 ズバリ、黒田はどうなのか。ヤンキースは1530万ドル(約17億円)のクオリファイングオファーを出さなかったが、今季の黒田は32試合に登板して11勝9敗。防御率3・71。CCサバシア、田中将大ら先発陣が相次いで故障する中、ヤンキースでただ一人ローテーションを守り抜き、5年連続2桁勝利をマークした。年齢による不安はあるものの、依然、信頼できるベテランとして高く評価されている。 ヤンキースが、クオリファイングオファーを出さなかったことで、他球団にオファーのチャンスが出たこのタイミング。すでにドジャースなど数球団が興味を示しているが、この日、マ軍のGMは「ベテラン投手といえば、黒田はどうなんですか?」という質問に対して、「いい選択肢だと思う。クラブハウスの雰囲気を変えるという意味でもね。それはとてもチームにとって大きいこと。チームにより良い化学反応を起こすような人材が欲しいんだ。その正しい選択を下すために、今の戦力に最適にフィットする人材の調査を今後も継続していきたい」と語った。 マーリンズは、靭帯再建手術を行った昨年のナリーグ新人王のホセ・フェルナンデスが来季シーズン途中に復帰するとみられているが、チームは、ブラッド・ハンドらを筆頭に先発陣が若手中心。先発陣のリーダーとなる存在に欠けている。 どんな状況でもコンディションを整え、中5日でマウンドに上がり、どんなに不調でも何とかクオリティスタート(7回3失点以内)を成し遂げ、試合をつくり、自分に勝ち負けはつかずともチームに勝利がつくためにやりくりする術は、若手の見本。それこそ、マ軍が今季必要な戦力である。 黒田のストイックな姿勢や、試合への準備はメジャーでも有名で、ドジャーズ時代から若きカーショーの兄貴分だったし、ヤンキースでも昨シーズンは新人・田中将大へのアドバイスを惜しまなかった。黒田は決してインタビューで雄弁になれる選手ではないが、そういう姿勢は、米国でもすでに認知され、一目置かれている。実際、去年はベテランの松坂大輔投手にも興味を示した若手中心のマーリンズ先発陣にとって、まさに、うってつけの人材だ。