森カンナ「新しい風を吹かせられたら」ガールズラブコメディで新境地に挑む:インタビュー
女優の森カンナが、MBSドラマ特区枠で放送の『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』(MBSドラマ特区枠で7月4日から順次放送スタート)に出演。森は過去のトラウマから会社では“女好き”であることを隠して生きていくべきだと決めている営業部エースの絶対落とされない先輩・鹿納弘子を演じる。原作は双葉社「webアクション」での連載が話題となりコミックス化もされた人気GLコミックスを、加藤史帆(日向坂46)&森カンナのW主演で実写ドラマ化。とまらない勘違い、理性崩壊寸前の“すれちがいオフィスガールズラブ”作品となっている。インタビューでは、初主演への想いから、現在芝居のどんなところにやりがいを感じているのか、話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】 ■みんなで楽しく気持ちよく作品を作りたい ――初主演、決まった時の心境はいかがでした? 初めての主演ということで、役者を続けていたら、「こんなことが起きるんだ」とびっくりしました。ボーイズラブの作品は観たことはあったのですが、ガールズラブは観たことがなかったので、新しい風を吹かせられたらいいなと思っています。 ――主演ということで座長になるわけですが、意識されていることは? 主演と聞いてすごく嬉しかったですし、W主演という心強さがあるので、2人で力を合わせていこうという気持ちです。また、現場もみんなで作っていこうといった空気が流れているので、座長としてそれほど意気込んではいなくて、あまり主演というのを意識してないかもしれません。 ――W主演の加藤史帆さんの印象は? 加藤さんのことはもちろん知っていましたし、どういう方なのかもインスタを拝見して、とても可愛らしい方で、実際に会った時に、「まさに彩香ちゃんだ!」と思いました。加藤さんは基本動きはゆっくりなので、アイドル活動をしているところを見ていなかったら、「アイドルやってます」と言われても信じなかったかもしれないです(笑)。アイドル活動の中でシャキシャキ動く姿は知っていたので、普段とのギャップがとても面白いなと思いました。また、お話ししていくなかで、もしかしてちょっと変わっている子なんじゃないかと思いました。話している内にだんだん変わり者感が節々に見えてきて(笑)。お芝居にも加藤さんの不思議で面白い部分がにじみ出るんだろうなと思い、撮影が楽しみになりました。 ――原作や脚本を読んで、どんなことを感じましたか。 原作を読んで、彩香ちゃんはとにかく可愛くて、弘子先輩はとてもかっこいい女性で、そのバランスがとても面白かったです。読み進める中でどう表現するか心配になる部分もありましたが、内容が本当に面白くて一気に読みました!また、コミカルなガールズラブなのでどなたが観てもすごく楽しめる作品になると思います。 ――撮影に臨むにあたり、不安に感じているところはありますか。 初コメディなので、その要素をどこまで自分がやれるものか、コメディ要素への不安があります。どうやったらより面白くなるのか試行錯誤しながら、みんなで作っていけたらと思っています。 ――役作りにはどのように取り組みたいと思っていますか。 初コメディなので、事前に役作りをするというより、現場に入ってから考えた方が良いかなと思っています。 ■客観視は常にしていたい ――森さんは今お芝居のやりがいは、どんなところに感じていますか。 年々現場が好きという気持ちの方が大きくなってきている気がします。お芝居はもちろん好きだけど、難しいこと、大変なこともいっぱいあるので、一つずつキャラクターをどう作り上げようか、チームで 1 個の作品を作っている、そういう現場が楽しいという気持ちが年々強くなってきています。 ――女優さんとしての理想像みたいなものはありますか。 現場を楽しみながらやっている反面、こういう女優さんになっていかなければ、また、なりたいというのはあんまりないんです。ずっとコメディをやりたいと話していたので、今回ひとつ目標が叶いました。いつかアクションにも挑戦してみたいです。 ――ヒロインの光夏海役で出演されていた『仮面ライダーディケイド』では、アクションシーンはなかったのでしょうか? なかったんです。アクションと言っても私は逃げ惑う、戦わないヒロインだったので、今度は戦ってみたいです! 実はジムやピラティスなどをやって体を鍛えていて準備はしているので、いつかアクション作品ですごく強い女性スパイ役とかやってみたいです(笑)。 ――ストイックな森さんなので、アクションの仕上がりも凄そうです。そういえば、高校時代はバスケ部に入ろうと考えていたけど、バスケ部の雰囲気がぬるかったので入部をやめて、チアリーディング部に入ったというのを見たのですが、それは厳しい環境を求めているからですか。 そういうわけでもないんです。中学生までバスケをやっていて、とても厳しいバスケ部でした。当時は泣きながら「もう一回お願いします!」とかやっていましたから(笑)。でも、入学した高校のバスケ部はそういう感じではなかったので、「バスケはもういいかな」と思いました。バスケが好きだからこそそういう雰囲気では自分はやりたくないと感じてしまいました。それはバスケだけではなく、私は中途半端な気持ちでは何もできないと思っています。そういう気持ちだと私は本当に生半可という感じで続かないんです。 ――自分をしっかり持っている森さんですが、自分とどのように向き合っていますか。 いろんなことに向いてないなと思いながら、案外やっていたりします。向き合っているのとは違うかもしれないのですが、客観視は常にしていたいなと思っています。客観視ができていないと、いま自分がどこにいて、どういう風に見られているのか、わからなくなってしまうんです。それができている人はすごく芯が通っていて、とても素敵だなと思います。 (おわり) ・ヘアメイク:足立真利子 ・スタイリスト:NanaTakasaki