ポイ活で家族3人を養う芸人、井上ポイントの「無理しない節約」の生き方
ポイ活は情報収集が命だ。井上はさまざまなルートで情報をかき集めている。 「SNSでポイ活仲間とつながっているので、そこでお互いの知ってる情報を交換したりはしています。『PR TIMES』っていう企業のプレスリリースを配信するサイトをチェックして、そこで『ポイント』とか『キャンペーン』っていうキーワードで検索して、関連する情報を集めたりもします。 あとは、いろいろなお店やアプリのメール登録をしているので、そこに送られてくるキャンペーン情報をチェックしたりもしますね。普段使っているメールアドレスとは別に、ポイ活専用のメールアドレスを持っていて、そこに送られてくるようになっています」 日常的に膨大な量の情報を集めて取捨選択していくポイ活は、自分が得をするために血眼になる大変な作業のような感じがするが、それを苦にしている様子はない。
「ポイ活をゲーム感覚で楽しむっていうのが僕のモットーなんです。僕はクレジットカードを30枚、スマホ決済サービスを20種類ぐらい持っているんですけど、この決済方法がゲームで敵を倒すための武器だと思っているんです。 たとえば、セブンイレブンだったら、三井住友銀行の『Olive』っていうタッチ決済アプリを使えば、還元率が上がります。この武器を使って敵をやっつけたぞ、っていう感じで楽しめるんです。 でも、たまに負けるときもあるんですよ。あとから別の決済手段のほうが還元率が高いことに気づくこともあって。そういうときには『うわー、負けた』って悔しくなるんですけど。でも、ゲームだから負けることもあるか、と思って楽しむようにしています」
思春期に培った節約感覚
そんな井上のポイ活ライフの原点は子供時代にあった。幼い頃に母親を亡くして父子家庭で育った彼は、高校1年になってから自分で食事を作るようになった。 「父親から毎月3万円をもらって、そのお金で食費をやりくりしていたんです。朝から近所のスーパーのチラシを見て、今日はここが安いっていうのを調べて、部活帰りに買い物するんです。それで今月はこれだけ浮いた、っていうのを楽しんでいました」 節約をゲーム感覚で楽しんでいた井上が、大人になってからポイ活に目覚めるのは必然だったのかもしれない。「節約」というと無駄遣いを抑えてケチケチした生活を送るようなイメージがあるが、彼はそのようなやり方には否定的だ。