誕生から90年 ロボット「学天則」が作られた理由とは
設計図なし 当時の資料と写真をもとに復元
ただ設計図はなく、西村真琴さんが残した資料、人といっしょに写っている写真などから大きさを推測。資料をもとに顔はゴムで作られ、まぶたや目、口元、胸がドキドキするしぐさができる仕組みなどを1年がかりで再現した。 「設計図がないのでかなり苦労しました。当時のままとはいきません。しかし、西村先生への思いから、目を見開く時は圧縮空気を使ってまぶたの開閉を表してみました」と長谷川さんはうれしそうに語る。
高さ約3メートル、左手に持つ光る物は「霊感灯」
高さ約3メートルで、右手にはペンを持つ。左手に持つ光る物は「霊感灯」。これは、なにか頭の中でひらめいた時の様子を表すもので、実際にこれが光った後、学天則は机に向かってペンを走らせる動作を見せる。 長谷川さんは「顔の表情は、いろいろな民族の顔を合わせたもの。頭の葉は植物が日光をあびて栄養を作り出すということで冠にしているそうです。胸には宇宙を意味するコスモスの花。西村先生の思いを反映したものとなっています」と話していた。 2018年は、学天則が登場してから90年となる年。取材当日も、多くの子どもが、まぶたを閉じ目玉を動かす豊かな表情に驚いていた。 動きを見つめ「1928年にこれが出た時は、皆さん驚かれたと思いますよ。当時これを見た子どもたちは、いろんな意味でショックだったかも」と想像する長谷川さん。90年の時を超え、今も多くの人に驚きと感動を与えているようだ。