モデルボクサーが5連勝も兼業に問題?
芸能活動との兼業で減量失敗
モデルと女子ボクサーの兼業で話題となっている高野人母美(26歳、協栄)が24日、後楽園ホールで、プロ5戦目で初となる6回戦に臨み、タイのクラーブカーオ・ポープリーチャー(19歳)から、計3度のダウンを奪い、2回2分33秒、最後は左のボディアッパーでKO勝利を果たした。 【動画】モデルボクサーの練習風景
年内に世界ランカーと対戦計画
相手は、7戦5勝(1KO)2敗のキャリアしかなく役不足だったが、序盤は、怯えるように下がって、いつもの好戦的な高野とは、まるで別人のようだった。左目の下には殴られた痣。せっかくの美貌も台無しだ。「思ったより動けなかった。反省です。緊張がありました。膝やスタミナに不安があって気持ちが折れていました」 リング上でも威勢のいい言葉は聞かれなかった。実は、減量に失敗していた。5日間で4キロを落とすという減量を強行して、2日前には、残り300グラムまで落としたが、その後、テレビの生放送の番組出演があり、「喋れず苦しくて水を飲んでしまいました」(高野)という理由で1、7キロをリバウンド。再び急激に2キロを落とすことになった。昨夏も、8キロの減量を敢行したときに、その影響から試合で、膝が動かなくなったという経験があった。その悪夢が不安や恐怖となって蘇ったという。やはり、芸能生活との兼業は難しいのか。 「あのときの感触を思い出して、ちょっと怖くなったんです。初めての6回戦なのにスタミナが持つかどうかって。それに前日に自分の殻を打ち破るというパフォーマンスをしましたが、あれで自分で自分を追い込んでしまいました」 前日の計量では、金色の全身タイツで登場、その薄いタイツを破って、シールブラ姿で秤に乗るという仰天のパフォーマンスをした。そこまでメディアの注目を集めておいて、肝心のリング上で、ガス欠になればプロボクサーとして恥ずかしい。いろんな感情が入り混じり、やがてプレッシャーへと変わり、消極的な立ち上がりになってしまったようだ。 だが、新井トレーナーから、《出鼻を狙え!》という指示を受けると、強烈な右ストレートと、少し角度をフック気味に変えた2種類の右で、2度ダウンを奪った。協栄の金平会長も「あの右は素晴らしい。過去5戦でベストマッチ」と、高野の持つ可能性を絶賛した。