キングオブコント優勝から11年、演劇で注目度が急上昇…欲望まみれの人間描く新作
お笑いコンビ、かもめんたる(岩崎う大・槙尾ユウスケ)が2015年に始動させた劇団かもめんたるが新作「生ガキと笛」を上演する。作・演出と出演もする劇団主宰の岩崎は、「台本を書き始めてから『悟り』をテーマにすることを思いつき、話がどんどん広がっていった」と語る。
悟りを開きたいと、珍奇な人々が集まってくるお山の宿。AI教の教祖、弟子を囲んでのやりとりのおかしさに、存在の不思議、人間の本質を突く深遠さがよぎる。「悟りって、言った者勝ちのところがある。悟りという事象とは裏腹に、その周辺で人間が欲望まみれになっていくのも面白い」
13年に「キングオブコント」で優勝。だが、当時のテレビはいわゆる「ひな壇」トーク番組が多く、「うまく対応できなかった」。人に勧められて演劇を始めると「踊っていない人が急に踊るような照れがあった」ものの、作り込んだ自分たちのコントが「演劇寄り」だったこともあり、のめり込んだ。
「コントは笑いを起こせばいい。演劇はもっといろんな感情を扱うから複雑。でも難しいゲームほど面白いところがある」
20年、21年と連続で上演作が岸田國士戯曲賞の最終候補になり、注目度も急上昇。「いつも何か違う要素を入れていきたい。それがないと、停滞してしまいますから」。11~15日、東京・東池袋のあうるすぽっと。(電)03・3355・1664。