【2024 Moto3 第16戦日本GP】ダビド・アロンソが10勝目を挙げタイトル決定! コロンビア人初のチャンピオンに
これぞアロンソ! 見事なレース運びで10勝目を挙げ文句なしのタイトル獲得
2024年10月4日から6日にかけて栃木県茂木町にあるモビリティリゾートもてぎにて、MotoGP第16戦日本GPが行われた。日本人ライダーが最も多く参戦するMoto3クラスでは3名のレギュラー参戦に加え、若松怜がFleetSafe Honda - MLav Racingから代役参戦を果たす。そして、長らく見ることができなかった日本GPでのチャンピオン決定の瞬間が訪れようとしていた。 【写真はこちら】Moto3 第16戦日本GPで活躍したライダーたちの雄姿 土曜日の予選はドライからウエットに変わる難しいコンディションで行われ、ランキング3位のイヴァン・オルトラ(MT Helmets - MSI)がラストアタックでポールポジションを獲得。2位以下にコンマ4秒もの大差をつける圧巻のアタックだった。 2番グリッドはランキング2位のコリン・ベイヤー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)。3番グリッドにはタイトルに王手をかけたダビド・アロンソ(CFMOTO Valresa Aspar Team)がつけた。 アロンソは日本GP終了時点でランキング2位以下に100ポイント差をつければチャンピオン決定。現在97ポイント差をつけているアロンソは、優勝すればライバルの順位に関係なくタイトル獲得が決まる(優勝25ポイント、2位20ポイントで5ポイント差がつくため)。 日本勢の最上位は山中琉聖(MT Helmets - MSI)の5番グリッド。Q2からの出走となった山中は勢いそのままにタイムを更新し、2列目を獲得してみせた。 Q1からの出走となった古里太陽(Honda Team Asia)は、苦しみながらもQ2に進出。しかし、Q2ではタイムを残すことができず13位で予選を終えた。 鈴木竜生(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)はQ2からの進出となったが、ウェットに変わる難しいコンディションに苦戦し17位。決勝は6列目からのスタートとなる。 今回代役参戦を果たした若松はマイレージを稼ぎたかったが、セッション中盤でピットに戻り走行を重ねることができなかった。結局終盤にコースに復帰するも、Q1を12番手で終え、決勝は最後尾26番グリッドからスタートする。 分厚い雲が上空を覆うも、気温23度、路面温度29度のドライコンディションの中、17周の決勝レースがスタート。ポールシッターのオルトラがホールショットを奪う中、エイドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)やダニエル・オルガド(Red Bull GASGAS Tech3)らが好スタートを決め、一気に上位に進出した。 オルトラが先頭を引っ張る中、複数台がトップ集団として周回。アロンソは序盤8番手付近を走行していたが、中盤になると少しずつポジションを上げていった。 ライバルが多く、接触や転倒のリスクが多い位置でありながらも、アロンソは無理をすることなく走行。中盤から終盤に差し掛かると、アロンソはペースを上げ12周目には2番手に浮上する。 そして残り3周となったタイミングでアロンソがついにフェルナンデスを攻略しトップに浮上。このタイミングで一気に逃げにかかるアロンソだったが、3位のオルトラが逃がさまいと瞬時に2位に上がりアロンソを猛追する。 残り2周でアロンソの射程距離内に入ったオルトラだったが、ヘアピンでフリップダウンしてしまい戦線から離脱。これでアロンソは3位に入ればタイトル決定とチャンピオンへのカウントダウンが始まる。 しかし、アロンソは先頭のままファイナルラップに入ると、後続に付け入る隙を与えず走行。見事トップチェッカーを受け、今季10勝目を挙げた。この瞬間、残り4戦を残してコロンビア人初のチャンピオン獲得という快挙を果たした。 昨シーズンはデビューイヤーながら最多の4勝を挙げ、タイトル争いにも絡むなど非凡な才能を発揮していた。 そして今シーズンは開幕から優勝し、10勝を積み上げてのタイトル獲得。圧倒的な勝率、そして18歳とは思えないレースマネジメント能力を持つアロンソはタイトルにふさわしい活躍を見せた。 圧倒的な強さを見せたアロンソだが、レース直後には多くのライバルが祝福されているところを見ると彼の性格の良さや明るさが伝わってくるようだ。すでに来季のMoto2クラス昇格を決めている。いずれ最高峰クラスで活躍することは間違いない逸材が日本で世界一に輝いた。 2位にはベイヤー、3位にはフェルナンデスが入った。山中は6位入賞も表彰台が見えていただけに悔しい結果に。鈴木はポジションを10上げて7位、古里が9位、そして、代役としてGPデビューを果たした若松はしっかり走り切り、20位でフィニッシュを果たしている。
河村大志