アニソン登山部リーダー水木一郎 山頂で仲間と即興ライブ 楽しいゼーット
アニソン仲間はなんで仲いいんでしょうね。妬んだり、ひがんだりすることがほとんどないですね。アニソンがまだ世間に認められてきていないときから、同じ時代を生きてきて、一緒にがんばってきたから、同志のような仲間意識があるんでしょうか。 アニソン界は一日にしてならず。子ども向けのものだからといって、「まんがの歌」と軽く見られても、アニソンの可能性を信じて歌い続けてきたからこそ、今がある。僕や仲間たちが苦労して切り開いてきた日々の積み重ねが今につながっているんです。若い人はそういう切り開かれた道を歩んでいる。
影山がアニソンに転向してきたばかりの頃だったかな、「どうやったら長く歌っていけるんですか」ってまじめに聞かれたことがありました。恥ずかしがらないで歌えばいいんだよ、アニソンは素晴らしいジャンルだから大事に歌っていくんだよ、というようなことを言ったと思います。今ではその後に続く若い人もどんどんこの世界に入ってきて、彼も「長老」と呼ばれるほどになりました。 この業界の先輩格になっている僕が、また新しいウルトラマンの主題歌を歌うなんて、夢があるでしょう。彼らもずっとやっていけるって思うじゃないですか。そんな道しるべになっていけたらといいな思います。後に続く後輩たちには「新しい道を開いて行けよ」って言ってるんですけどね(笑)。 「新しい道を切り開いたから、どうぞこちらへ」って呼んでくれる日が来るのも楽しみですね。そうやって、この業界がますます発展していったらいいなと思います。
10月に45周年スタート 今後の活動について
水木:声が続く限りみんなの前で歌っている限りは、新しい歌に出合うチャンスもまた巡ってくるんだなと思っています。夢は最高齢現役歌手。70歳すぎ、80歳すぎで雄叫びを飛ばしているような歌手ってちょっとカッコよくないですか。僕がその年齢になって、そのときにまた新しい歌、歌っていたらすごいじゃないですか。 アニソンに携わる人たちに定年はないけど、いろいろな出会いやチャンスは、またがんばっていれば巡ってくる。業界に先輩がいないっていう状況は、つらかったこともあるけど、すべてがいい経験になりました。ささきいさおさんは歌手としては大先輩なんだけど、とても謙虚でいい方です。「アニメを引っ張ってきたのは水木なんだから」って言ってくれるんですよ。これ(10月9日開催の水木一郎アニソンデビュー45周年記念ライブのチラシを見ながら)、俺のライブにささきいさおさんがゲストで出てくれるなんて、子どもの頃の僕には考えられないことですよ。 もう突っ走っていくしかないので、次は50周年をめざします。歌手として自分で納得できるような50周年を迎えたい。今まで歌ってきた歌を大事にしていきたい。新しい歌も、今までの歌も大切な僕の子どもたちなので、全部愛している。それぞれの歌にファンもいる。今後、『ウルトラマンオーブ』を聴いて育ちました、という人も出てくるだろうね。 親に感謝です、この体に産んでくれて。世界一強い声帯を与えてくれて。先はわからないですが、おかげさまで体はいたって丈夫なので、これからも期待に沿うようにがんばっていきたいと思います。 ■水木一郎(みずき・いちろう)■ アニメソング のパイオニアであり、今なおトップを走り続ける「アニメソング界の帝王」。「アニキ」の愛称で親しまれ、テレビ、ラジオなどでもそのキャラクターを存分に発揮。1968 年にデビュー以来、71 年の『原始少年リュウ』主題歌に始まり、「マジンガーZ」「キャプテンハーロック」などのアニメソングや「仮面ライダー」シリーズなどの特撮ソングを次々と歌い続け、持ち歌は1200曲を越える。日本コロムビア 水木一郎アーティストサイト 【リリース情報】 水木一郎グレイテスト★ウルトラマンソングス 水木一郎withボイジャーと水木一郎ソロの『オーブの祈り』、昭和のウルトラマン主題歌6曲のカバーほか、レア音源を含む全21曲を収録。7月20日発売。2400円+税。発売元:日本コロムビア