「人はなぜ不倫する?」夫の“もう一つの家庭”を壊すためサレ妻が取った行動とは? 子どもすら利用する壮絶復讐劇が話題
日本のエンタメシーンにおいて、古くから“不倫・復讐”は鉄板の人気コンテンツ。ドラマ・映画で大ヒットした『失楽園』、最近も攻めたラブシーンが話題の『離婚しない男』(テレビ朝日系)をはじめ、マンガ、電子コミックなどでもランキング上位にこのカテゴリの作品が入るなど、時代が変わってもその人気はいまだ健在となっている。LINEマンガで先行配信中の『夫の家庭を壊すまで』もそんな“不倫・復讐”をテーマにした人気作。原作・脚本を手掛ける赤石真菜さんの学生時代のある経験が、本作を描いた背景にあるという。本作制作の裏側とともに、「なぜ不倫がなくならないのか」、そしてエンタメにおける“不倫・復讐”ジャンル人気の要因について話を聞いた。 【漫画】衝撃!「…誰?」夫のスマホに謎のメッセージ、幸せな家庭じゃなかった?夫の“裏の顔”と妻“復讐劇”とは⁉
■不倫は“罪悪感の欠如”から生まれる。“シタ”側に罪の意識を感じてもらうことがテーマ
最愛の夫と息子と家族3人で幸せな結婚生活を送っていた妻だったが、ある日、夫のスマホを盗み見たことで、不倫を疑う。その後、夫を尾行した妻が見たのは、夫と見知らぬ女性と高校生くらいの男の子が食卓を囲む光景。長年にわたる裏切りを知った妻は、夫が大切にする“もう1つの家庭”を壊すために、壮絶な復讐計画を立てる。 ――本作誕生の背景から聞いていきたいのですが、赤石先生ご自身がもともと「不倫」という題材で描きたかったと伺いました。 【赤石真菜さん】そうですね、「不倫」という題材は、以前から描きたいと思っていました。 ――第1話の1コマ目に「人は、なぜ不倫するのか?」と、ある種、本作の根幹ともいえる問いかけに大きな衝撃を受けました。この冒頭の問いかけを入れた意図、先生の想いをお聞かせください。 【赤石真菜さん】個人的な話になりますが、大学生時代に「なぜ、この世から不倫がなくならないのか?」というテーマで話し合う機会があったんです。世間では「不倫」に多くの人々が関心を寄せていて、“悪”と見なされて非難を受けるのに、それでも不倫で苦しむ人が後を絶たない。それはなぜなのか、と。 ――非常に興味深いですね。先生はこの問いに対して、どのような意見をお持ちですか? 【赤石真菜さん】その時の「不倫をする側は、それを『罪』だと感じていないからでは?」という意見が強く印象に残っていました。確かに、「不倫」が逮捕される犯罪行為であれば、多くの人はその罪を犯そうとはしませんよね。つまり不倫がなくならない背景には、シタ側に“罪悪感の欠如”があるのではないか、と。そのため今回は、シタ側に“罪の意識”を感じてもらうことが作品のテーマになればと思いました。「不倫を犯罪として罰することはできなくても、相手の心と人生を壊してしまう重い罪であること」を強調したいと考えていました。 ――近年は電子コミック、webtoonなどでも「不倫」「サレ妻(夫)」といった“不倫・復讐マンガ”ジャンルがランキングの上位に入るほどの人気になっています。なぜ、このテーマのエンタテインメント作品が、現在世に受け入れられていると思いますか? 【赤石真菜さん】不倫を“サレ”てどん底にいる主人公が、敵を打ちのめしていきながら再生する姿に、大きなカタルシスを感じるからではないでしょうか。現実ではスッキリといかないことも、フィクションの世界でなら叶えられる。そんな読者の願望を満たしてくれる、ある意味で“結末”が約束されたジャンルなのだと思います。