超異例! 現役Jリーガーがラーメン店オープン!「可能な限り店頭に立って接客を」アビスパ福岡・金森健志が決断したわけとは?
実家は福岡市内の製麺所
J1アビスパ福岡の金森健志(30)が13日、福岡市内にみそラーメン店「らーめんはや川 警固店」をプレオープンさせた。 ■エプロン姿も様に! 店頭で接客する金森の姿はこちら【写真複数】 投資目的で飲食業などの店舗を構えるプロ選手はいるが、金森はオフシーズン中「可能な限り店頭に立って接客したい」と言う。現役Jリーガーがラーメン店主との二足のわらじを決断した理由を尋ねた。 金森は福岡市内の実家が製麺所だ。幼少期は祖父母宅で、よく遊びに行っていた。「おじいちゃんが朝4時に起きて、製麺の機械が動く音で目が覚めていた。麺をまとめる作業や、配達も手伝っていた」。Jリーガーになる夢を抱く一方、ラーメン店の経営にも興味を持っていた。 福岡・筑陽学園高から2013年に当時J2のアビスパ福岡でプロデビュー。17年から鹿島や鳥栖を渡り歩き、21年にJ1復帰したアビスパに帰ってきた。今季もJ1リーグ27試合に出場し、1得点。主力として活躍する一方で、「博多のプリンス」と呼ばれてきた男は30歳になった。
プレオープンの13日は自ら店頭に
「セカンドキャリアを意識する年齢になってきて、辞めてから考えるのでは遅いな、と。社会の中で人との関わり方などを学べる良い機会とも思った」。今年のJリーグ開幕前からビジネスのノウハウを学びつつ、以前から親交のあった「らーめんはや川」を展開する谷口信さんに何度も頼み込み、フランチャイズ契約を結んだ。 接客業にした理由はもう一つ。「福岡に帰ってきて、やっぱり福岡が好きだなと思ったのが一番。地域の方とたくさん関わるチャンスだと思った」。プレオープンした13日は正午の開店から店頭に立った。15日までのプレオープン期間だけでなく、19日の本格オープン後も今オフは可能な限り接客したいという。 かつてエレベータークラブだったアビスパ福岡は21年からJ1に定着。昨季はYBCルヴァン・カップを制し、昨年は念願のクラブ初タイトルを手にした。金森自身も愛するクラブは着実に実績を積み重ねているが、今季の1試合平均入場者数はJ1で最少の9698人。J1平均の2万355人に遠く及ばず、地域に根ざしているとはまだ言い難い。奈良竜樹主将がサポーターの要望に応えながら地域密着を目指す「ROOT PROJECT」を始めるなど、選手からも現状を変えようとする動きは出てきている。 金森も「僕自身もできることをやりたい。福岡を盛り上げていく一つとして、ラーメンを食べに来てもらい、スタジアムに行ってみようと思ってくれる人が一人でも増えてくれたらうれしい。そんな場になれば」と願う。店内にアビスパ関連のグッズを掲示し、PRする構想もあるという。 アビスパとは既に来季の契約も更新。選手として円熟期を迎え、若手をけん引する役割も期待される。「もちろんサッカーはバリバリ頑張る」と飛躍を誓う金森にとって、店舗のリーダーとして束ねる経験はアビスパにも生きてくるはずだ。「シーズン中は店頭に立つのが難しいかもしれないけど、オフはできるだけ顔を出したい。高卒でプロになったのでアルバイトもしたことがなく、接客も初めての経験。でも従業員も含め、みんなが幸せになってもらえるように頑張りたい」と力を込めた。 「らーめんはや川 警固店」はみそラーメンが看板メニューで辛さを選べる。プレオープン期間は正午から午後3時までで、現金のみの対応。19日の本格オープン後は営業時間が午前11時半から午後3時までと、午後6時から同10時まで。水曜定休。住所は福岡市中央区警固1の13の1 1F。 ▼▼注目選手の去就は?今オフの契約状況【一覧】▼▼
西日本新聞社