【FRB高官発言】今年は利下げ実施しない可能性も-カシュカリ総裁
(ブルームバーグ): 米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、インフレ鈍化の進展が滞る場合、年内の利下げは必要なくなる可能性があると指摘した。経済が堅調を維持する場合は特にそうだとの考えを示した。
一方、クリーブランド連銀のメスター総裁は、金融当局が利下げを開始するのに必要な確信の水準に今後数カ月のうちに近づく可能性があるとの見解を示した。
クリーブランド連銀総裁、労働市場悪化なら対応可能
メスター総裁はグローバル・インターディペンデンス・センター主催のオンライン討論会で、2カ月連続で予想を上回った米インフレ率が再び低下に向かうどうかを見極めるために、「あと数カ月のデータを見たい」と発言。「インフレ率が低下すると私は以前予想していたが、今はそれを裏付けるさらなる証拠が必要だ。それが確認できれば、利下げできる状態になると思う」と語った。
また同総裁は、インフレ率がここ1年で大幅に低下したことから、金融当局は労働市場の予想外の悪化に対応しやすい状況にあると指摘。「労働市場が大幅に悪化した場合、われわれは対応可能な政策ポジションにあり、ベースライン予測よりも迅速かつ早期に利下げを実施できる」と述べた。
ミネアポリス連銀総裁、利下げはインフレ動向次第
カシュカリ氏はリンクトインとのバーチャルイベントで、「私は3月時点では、インフレが当局の2%目標に向かって下がり続ける場合、年内に2回の利下げがあると予想していた」と発言。「インフレの横ばい推移が続くようであれば、そうした利下げを実施する必要があるのかどうか疑問が生じるだろう」と述べた。
1月と2月のインフレの数字は「やや気掛かりだ」と同氏は指摘。インフレが当局の2%目標に向かっているとの確信を得るためには、利下げサイクルを開始する前に物価に関してさらなる進展を確認する必要があると話した。
シカゴ連銀総裁、年初のインフレ上振れは深刻視せず
米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、年初に予想を上回るインフレ指標が示されたものの、物価の伸びが鈍化しているという全体像が変わることはないだろうと述べた。4日は多くの米金融当局者が講演などで発言する。