<甲子園交流試合・2020センバツ32校>健大高崎・戸丸主将 「楽しんで勝つ」 きょう帯広農と対戦 /群馬
16日の2020年甲子園高校野球交流試合に臨む健大高崎。戸丸秦吾主将(3年)は、春のセンバツに続いて夏の全国高校野球選手権大会が中止となり、いったんは目標を失いかけた。それでもチームメートを鼓舞し、県独自大会で決勝へ駒を進めた。憧れの大舞台では、帯広農(北海道)を相手に「楽しむ」野球で勝利を誓う。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 「どうしたらいいのか分からないまま、その日は過ごした」。5月20日、夏の甲子園中止が決まった日のことを戸丸は振り返る。LINE(ライン)に、三塁手・山畑陸(3年)から気落ちしたメッセージが届いた。「夏、無くなったな。俺ら、どうしよう」 それでも6月にセンバツ交流試合の8月開催が発表され、県独自大会開催も7月18日に開幕することになり、「残された大会で負けてほしくない」(生方啓介部長)という言葉に背中を押され、チームのムードは変わっていった、「楽しもう。楽しむためには、負けるより勝つ方がいいじゃないか」。主将は、こう訴えた。 独自大会初戦の相手は、中学時代にU15日本代表に選ばれた主戦・清水惇(3年)を擁する安中総合。最速140キロ超の速球を前に、六回まで0点に抑えられる。「楽しもう、プラスの声を出そう」。戸丸の呼びかけに応じて、七回に山畑が逆転の足がかりとなる内野安打を放った。 「見る者を楽しませる野球をしたい」。交流試合を前に戸丸は意気込み、付け加えた。「両親に、自分たちが野球をしている姿を見せて、勝って恩返しをしたい」【川地隆史】