二宮和也×竹内涼真×葵わかなが再集結した意義 『ブラックペアン2』に刻んだ6年間の重み
TBS系日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』が9月15日の放送で最終回を迎える。6年前に放送された同名作の続編で、前作の主人公・外科医の渡海征司郎に瓜二つの天城雪彦という役柄を巧みに演じ分ける二宮和也の存在感が光る本作。舞台となるのは前作のシーズン1と同じ東城大学医学部付属病院で、登場人物の顔ぶれもほぼ変わっていない。 【写真】『ブラックペアン』シーズン1の今よりかなり幼く見える竹内涼真 たとえば、佐伯外科の初期研修医1年目だった前作では、外科医の渡海の助手として振り回され、鍛えられていた世良雅志(竹内涼真)。渡海が病院を去った後、外部の系列病院で実績を積み、東城大に戻ってきた。医師として大きな影響を与えた渡海に瓜二つの天城のアシスタントを命じられて、シーズン2でも奔走している。 6年前は新人看護師だった花房美和(葵わかな)も初々しい印象は変わらないが、手術室看護師として経験を積んで落ち着いた雰囲気が漂う。新人の頃から互いに助け合う存在だった世良とは仲が良さそうではあるが、とくに関係性に変化があったようには見えない。 第4話で花房美和の母で弁護士の戸島和子(花總まり)が市民団体を引き連れて、天城が患者に巨額の費用を要求する行為は詐欺にあたると東城大に乗り込んできたとき、世良の好青年ぶりがことさら眩しかった。 正義感が人一倍強く、優秀な弁護士の母が見ても付き合っているように見える美和と世良。2人とも「ただの同僚」だと、すぐに否定したが、それでも「お似合いなのに」と美和の母は自分の直感を信じて曲げなかったほど、お似合いではあった。 訴訟について話すための食事会に出かけることを世良が天城に伝えたときも「デートか。母親公認の」と、からかわれるように言われていたが、天城の指摘はいつでも鋭い。他人に興味などないように振る舞いつつ、本質はきちんと見抜いているのが天城だ。 美和も世良も真面目すぎて、同僚として長く接してきたからお互いに踏み込むこともできず、距離がなかなか縮まらなかったのだろう。こういうカップルがいたら、周囲が気遣って盛り上げることもあるが、東城大の場合は周囲が個性的すぎてスムーズにはかないようだ。 6年前と変わらない登場人物の中で、前作の主人公・渡海と本作の主人公・天城は、天才的外科医で高慢、時に誤解を自ら招くような言動をとる……という共通点のある別人を完璧に演じ分けているというところが、二宮和也が天才と言われる所以だろう。