勝敗分けたBL東京・モウンガの勝負勘 「目の前のことを一つ一つ」 ラグビーリーグワン
ラグビーのNTTリーグワン1部第1節最終日は22日、横浜市の日産スタジアムなどで行われ、昨季王者のBL東京は同4位の横浜に28―21で逆転勝ちした。7―16で折り返した後半に3トライを奪った。 【写真】突進するBL東京のリッチー・モウンガ。昨季王者のBL東京が16点差はね返して白星発進 BL東京のSOモウンガがワールドクラスの勝負勘を存分に発揮した。 後半23分、トライを奪われて21-21に追いつかれた後のゴールキック。普段は円陣の中心で指示を出す立場のモウンガだが一人、円陣から離れ、ゴールライン手前から猛チャージをかけた。「決められたら勝ち越される。勝ちたい一心だった」。横浜とはプレシーズンマッチで戦い、横浜のSO田村が蹴る前に時間をかけることを把握していた。虎視眈々(たんたん)とチャンスを待ち、ここぞの場面で仕掛けた。プレッシャーを受けた田村のキックは、ゴールポストの右にそれた。 攻守にわたり、スコアに直結する好プレーを何度も見せた。前半途中には自陣のゴールポストに激突しながら相手を食い止めるなど2度のトライセーブ。敵将の沢木監督は「オールブラックスで何度もプレッシャーを受けてきた経験じゃないですか」と脱帽した。 一時、0-16までリードを広げられた開幕戦。「追いかけるときは特別なことではなく、目の前のことを一つ一つやること」と話すモウンガ。修羅場をくぐり抜けてきた経験が、連覇に挑戦するBL東京を前進させる。(石原颯)