まだつながるって知ってた?56年の歴史「リカちゃんでんわ」が今も女子の心をつかむワケ
■レア回も?遊び心満載でユーザーを飽きさせない会話の内容
WEBサイト『CHANTO web』に掲載されたタカラトミー広報担当者へのインタビューによると、「リカちゃんでんわ」のユーザーはリピーターが多いそうで、現在でも月に4万件もの電話があるという。 そういえば、筆者も初回の電話をして以来、毎月のように電話をかけていた思い出がある。我々のようなリピーターが毎月「また電話したい」と思えたのは、タカラトミーがいつでも新鮮な気持ちで楽しめるよう様々な工夫を凝らしていたからこそである。 基本的に、電話がつながるとリカちゃんが「もしもし私リカよ。お電話ありがとう!」と元気いっぱいに話し始め、日常の出来事を教えてくれる。友だちとお出かけしたりフランス旅行に行ったりと行動パターンも広く、生活を覗いているかのように感じるリアルさがあるのだ。 行動のほかにも流行、時事、季節に合わせて様々なテーマを取り入れており、リカちゃんの誕生月である5月には誕生日の話をしてくれることもあった。 さらに時間によって対応も変わり、朝は「おはよう」、昼は「こんにちは」、夜遅くなると早く寝るように言葉をかけてくれるリカちゃん。この会話バリエーションの広さも、タカラトミーが子どもたちのために行った努力のひとつだろう。 筆者は聞いたことがないが、中にはママである香山織江や双子の妹・ミキ&マキが電話に出ることもあるそうだ。レアという位置付けなので、聞けた人はラッキーかも?
■2024年のコラボは今田美桜さん!新しい楽しみ方も続々と
通信手段が格段に増えた今でも、「リカちゃんでんわ」は1968年当時からアナログなシステムを続けている。が、その一方で様々な進化も遂げてきた。 関連玩具の開発もその一つで、2007年にはリカちゃんと電話ならぬテレビ電話ができる玩具「リカちゃんテレビでんわ」が発売されている。これはPCを使うアイテムで、付属のソフトをインストールして本体とPCをつなぐと、画面上にリカちゃんが現れて会話ができるという優れもの。 最初に名前を登録しておくことでリカちゃんが呼びかけてくれ、200本以上の膨大なボイスファイルが収録されているため会話のバラエティも豊富。時には、リカちゃんから電話がかかってくることもあるというから驚きだ。 2011年には、PC、電話、Facebookと連動した大人女子向けの電話サービス「リカちゃん 肌スランプコール」が開設された。これは資生堂の「d プログラム」とのコラボ企画で、質問を投げかけるとリカちゃんが肌アドバイスや美容の知識を伝授してくれるというもの。 もちろん雑談もしてくれるのだが、内容も大人女子向けになっており、星座占いやユーザーのご当地ネタなどを話してくれる。かつて「リカちゃんでんわ」に胸躍らせた少女たちが大人になり、今度はリカちゃんと美容トークができるとは夢のような企画ではないか。 さらに2024年11月からは、リカちゃん公式アンバサダーの今田美桜さんとコラボした「リカちゃんでんわ」ならぬ「みおちゃんでんわ」がスタートしている。筆者もかけてみたが、電話がつながった瞬間に「みおだよ」と今田さんのかわいらしい声が飛び込んできてドキっとする。 友人であるリカちゃんとの出来事や今田さんの日常について楽しそうに話してくれ、昼と夜で内容も少し変わるためファンにとってはたまらないだろう。2025年1月31日までの期間限定コラボなので、ぜひチェックしてみてほしい。 いつの時代も、少女の心をつかんで離さない「リカちゃんでんわ」。「メリーさんの電話」の元ネタとも言われる怖い都市伝説なんかも生まれていたが、それも「リカちゃんでんわ」が多くの人に認知され注目されていたからこそ。子どもはもちろんのこと、かつてリカちゃんの話に耳を傾けていた大人の女性も、久しぶりに声を聞いてみてはいかがだろうか。
さえきしの