『告白 コンフェッション』生田斗真、ヤン・イクチュンの迫力に「本気でビビってました!」かわぐちかいじも「すごい映画になった」と太鼓判
「カイジ」シリーズの福本伸行と「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじがタッグを組んだ原作を映画化した『告白 コンフェッション』の初日舞台挨拶が5月31日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒、山下敦弘監督が登壇。原作コミックの作画を担当したかわぐちも駆けつけ、「すごい映画になった」と熱い感想を口にした。 【写真を見る】チェック柄のセットアップで登場した奈緒 黄金タッグによる原作コミックを、生田とイクチュンという日韓実力派俳優のダブル主演によって映画化した本作。主人公となるのは、雪山で遭難した親友同士。死を覚悟した親友の最後の告白を“聞いてしまった男”である浅井(生田)と、“言ってしまった男”であるジヨン(イクチュン)。助かってしまった2人が山小屋で過ごす気まずい一夜を、圧倒的なスリルとスピード感で描く。山下監督は「5年かかって初日を迎えられて、感慨深いです」と公開の喜びを語った。 生田とイクチュンがガッツリと対峙し、熱を帯びていく親友たちの攻防戦を体現した。生田は「イクチュンさんと3週間近い撮影を共にし、たくさんの刺激をもらった。すばらしい出会に感謝したいと思います」としみじみ。「皆さんもご覧になったと思うんですが、イクチュンさんの体からほとばしるエネルギー、パワーが本当にすごい。スクリーンのなかから飛びでてくるよう。それをここで受けてみなよ!吹っ飛ばされるような勢いがすごいんですよ!」と間近でイクチュンの迫力を目の当たりにした感想を熱弁し、会場の笑いを誘った。「それでいてオンとオフをしっかりと切り替える。プロとしての俳優としての立ち居振る舞いを見せてもらうことができて、本当にうれしかったです」と刺激的な撮影となった様子だ。 一方のイクチュンは「私が演じたのは、とにかくエネルギーをたくさん発散するような役。生田さんがしっかりと受け止めてくれました。あんなにしっかりと実感を持って受け止めてくれた俳優さんは、初めてだなと思います。本当にカッコいい俳優さん」と、こちらも生田との共演は奮い立つような想いがしたと告白。 続けて「私が演技をしている時は、ビビりすぎているんじゃないかというくらい、怖がっている時もありました。すばらしい役者です!」と生田がキャラクターの恐怖を見事に表現していたと称えた。生田は「あれはね、マジでビビっています」と打ち明けて、会場も大笑い。生田が「イクチュンさんのエネルギーがすばらしかったので、僕は準備をしなくても、イクチュンさんと芝居をしていると勝手に感情を引き上げてもらった」、イクチュンも「私も同じです」と笑うなど、2人で高め合うような芝居ができたという。また劇中では恐ろしい表情を披露したイクチュンだが、彼の素顔について奈緒は「本当にやさしい」とにっこり。「私が首を絞められるシーンでも、(撮影前には)『この石が危ないですね』とか『この木が危ないですね』と場所を整えてくださった」と感謝すると、イクチュンは「いい人ですね」と日本語で返すなど終始、茶目っ気たっぷりの表情を見せて会場を大いに盛り上げていた。 上映後のイベントとなったこの日のステージ。会場には原作コミックの作画を担当したかわぐちが駆けつけて花束をプレゼントするひと幕もあった。イベント前には、観客と一緒に本作を鑑賞していたというかわぐち。「皆さんが、食い入るように観ていました」と切りだし、「漫画を読んだ人のなかには、『追い詰められた人間の狂気の話だ』という感想が多かった。映画を観ると、決して狂気ではありません。狂気に至ればまだ楽なんですが、人間性をギリギリのところで保った、人間たちの話。だから見ていて、ツライ。生田さんとヤンさんが人間性ギリギリのところをうまく表現していて、すごい映画になった。監督もすごい演出でした」と絶賛した。 さらにキャスティングを聞いた時の率直な感想を問われたかわぐちは、「生田さんはテレビや雑誌でよく観ていて、いい男だなと思っていた。ハンサムで色男、美男子」と目尻を下げ、「追い詰められて、地獄のような状況でのたうち回る。そういう役をやっていただいて大丈夫なんだろうかと不安になりました。女性ファンが多くいると聞きましたので、この役があとあと影響を与えたらまずいのではという心配がありました」と吐露。これには生田が「大丈夫ですよね?」と呼びかけて、会場から大きな拍手を浴びた。またイクチュンについては、「僕は、ヤンさんの『息もできない』という映画の大ファンで。ヤンさんが弱さからくる暴力を演じられていて、感動していた。この映画にぴったり、あの役にぴったりだなと思いました」とキャスティングを聞いた時点で、大いに期待していたという。 生田は「この作品を生みだした方に喜んでいただけるのは、まず一つ、僕らにとってうれしいこと。すごく光栄です。ありがとうございます」としみじみ。イクチュンも「私の作品を観てくださって、本当にありがとうございます。原作がある作品で、果たしてうまく演じられたのか不安なところもありました。好意的な感想をいただいてうれしいです」と喜びをかみしめ、山下監督も「ちょっと鳥肌が立っちゃった」と感激しきり。最後に生田は「立ち上げから5年近くの時間がかかりました。5年かけて作った一撃を、多くの方々に食らっていただきたい」とアピールし、大盛況のイベントを締めくくった。 取材・文/成田おり枝