海外移住したら、「健康診断」「がん検診」「人間ドック」はどうする?
2022年に東京からカナダに移住したエディターが執筆。日本では毎年健康診断を受けていましたが、海外に移住するとどうなるの? その現状を紹介します。 【写真で解説】40歳以上は「健康診断」より「人間ドック」を受けるべき?日本人がよくわかっ ていない意外な真実。医師の見解とは?
カナダでも健康診断、各部がん検診、婦人科検診などは受けることができる
カナダに引っ越しても、日本とは多少違いがあったり住む地域により多少異なっていたりはするものの、健康診断、各部がん検診、婦人科検診などは受けることができます。また、条件を満たしカナダの各州の保険制度に加入している場合は、ほとんどすべてが無料で受けられるそうです。 ですが、子供の留学に帯同している私自身は、カナダの永住権や就労ビザ、学生ビザなどを持っていないので、州の保険制度に加入することができません。
日本に一時帰国するときに、がん検診、婦人科検診を受診
州の保険制度に加入していなくとも、お金を出せばカナダでも受診できるかもしれませんが、今回は日本への一時帰国時に健康診断とがん検診を受けることにしました。全額自費ではありますが、日本で保険証を持っていなくても受けることができるからです。 日本に住んでいて国民健康保険に加入していたときは区の負担で健康診断や各部がん検診がほとんど無料でできていたので、とてもありがたい制度だったなと改めて感じています。 ちなみに、今回の受診を決める際に、「40代だし、人間ドックにしたほうが良いのかな……」と悩んだのですが、ミモレで連載をしてくださっている医師の山田悠史先生の記事を読み、今回は健康診断とがん検診を選びました。詳しい理由は、ぜひ山田先生の記事をチェックしてくださいね。
親子留学の親の立場はカナダでかなり不安定……
子供と一緒に生活しながら、子供の留学を見守ることができる「親子留学」はとてもありがたく、親の私にとっても嬉しい制度。ですが、永住権も、ワークパーミット(就労ビザ)も、学生ビザもない親の場合は、期限内はカナダに滞在をしても良いと認められた「ビジターレコード」をもつ滞在者ではあるものの、カナダではただの“旅行者”と同じような扱いになるので、身分がかなり不安定です。もちろん、カナダで納税もできない立場なので、なにも恩恵を受けられないのは当然のことですが、日本にもカナダにもどちらにもしっかりと根づいていないような、宙ぶらりんな現状が時折私を不安な気持ちにさせます。 先述したように、州の保険制度にも入れず、自分で保険会社の高額な保険に加入する必要があり、保険で少しお金が戻ってくることはあっても医療は基本的にはほぼ自腹。診療費も私の場合は、日本のような3割負担もないので高額です。 銀行口座を開設したり、クレジットカードを作ったり、生活をする上で必要なことでも、ハードルが高く感じることもあります。1年、2年など期間限定での滞在と決めているなら問題ないかもしれませんが、もし長めの滞在をするなら、やはり何かしらのビザはあったほうが安心できると痛感しています。 とにかく、親子留学や海外移住は「計画的に」。自分にも常に言い聞かせていますが……これがとても大切ですね。 写真:Shutterstock 構成・文/高橋香奈子
高橋 香奈子