残る“院政”危惧?日大内田監督がはき違えている遅過ぎた謝罪と辞任の意味
日大の常務理事の立場にある内田監督は、その要職の辞任については否定した。そうなると監督を辞任してもアメリカンフットボール部を統括、運営する大学側の立場から影響力を持ち続けることになる。言葉は悪いが、今後もアメリカンフットボール部は内田監督の“院政”となる可能性は否定できない。実際、この日、内田監督は、「そういうことはまだ考えていません」と、コーチ陣の総辞職を否定した。 日大の場合、コーチはボランティアではなく大学側が報酬(給料)を支払っている。当然、内田監督の後を受ける次期監督にも報酬を支払うことになるだろう。そもそも次期監督をどう選ぶかも重要で、その過程をガラス張りにする必要もあるが、そこに内田監督の意見が反映されることにでもなれば、次期監督は報酬を支払う側、すなわち田中英寿・理事長の側近中の側近として学内のナンバー2の地位にある内田監督に忖度をしながら指導を続けることになり、再発防止に向けてのチーム体質の変革に何も期待できないことになる。 関学への回答書の第一弾では「指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し深く反省しております」と、当該選手に責任転嫁するような見解を示して「直接指示」を否定していた。 24日に期限をきった回答書の第二弾の内容次第だろうが、ここまで約2週間も謝罪と記者会見(今回の立ち話を会見とは呼べないが)を放置してきたような大学の身内による学内調査で、どこまで真実が出てくるかははなはだ疑問である。日大が、今回の問題を真剣に捉えているのであれば、第3者による調査機関を立ち上げて、徹底的に、経緯から、その背景までを調査、分析するような自浄作用を見せることが必要だろう。そうでなければ失われた信頼を取り戻すことはできない。日大に明日はないのである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)