復旧の難易度高い…JR貨物脱線、残るは2両だが「車両撤去は想定より遅れ」 JR九州支社長が地元市長に謝罪 薩摩川内
鹿児島県薩摩川内市平佐町のJR川内駅構内で発生した貨物列車の脱線事故を巡り、JR九州鹿児島支社の海老原毅支社長は17日、機関車が傾いている点などから復旧の難易度は高いとして「撤去が想定よりも遅れている」と明らかにした。川内駅で報道陣の取材に答えた。運輸安全委員会が現地調査を終えたことも説明した。 【写真】〈脱線した機関車の傾きを写真で比べる〉左は水平に近づく機関車(16日午前8時半ごろ)。右は傾いた機関車を水平にする作業員(15日午前10時ごろ)=いずれも薩摩川内市の川内駅
JR九州によると、同日は現場に残る2両のうち先頭の機関車をレールに載せる作業を進めた。完了後は駅側に移動させ、貨車をレールに戻す作業にも着手する。 運輸安全委員会は現場での調査を16日に終えた。今後は写真やデータの提供を受け、事故原因を調べる。 海老原支社長は、報道陣の取材に先立ち市役所を訪れ、田中良二市長に謝罪した。市民生活に不便をかけているとした上で「できるだけ早く普段の形に戻れるよう努力する」と述べた。田中市長は、通勤通学や貨物輸送で県内に影響が出ていることから、一刻も早い原因究明や運転再開を求めた。面談は市が要望した。 貨物列車は12両編成。12日午前3時ごろ、機関車1両と続く貨車2両が脱線した。鹿児島線川内-隈之城間は運休が続いており、再開時期は未定。同社は運休区間の代替バスや、九州新幹線川内-鹿児島中央間の振り替え輸送を続ける。
南日本新聞 | 鹿児島