全国の“不登校支援”の状況に詳しいジャーナリスト「情報で子どもたちを支えて」県の施策の周知を
富山テレビ放送
「こどもまんなか社会」の実現を目指す富山県は、不登校の児童生徒の学びの選択肢を増やし居場所をつくるフリースクールの拡充に取り組んでいます。 全国の不登校支援の状況に詳しいジャーナリストは、そうした県の施策の周知を求めています。 *子どもたち 「いい匂いしてきた」 「映画館の匂いする」 射水市のフリースクール、平日の午前9時から午後3時まで1日10人ほどの小中学生を受け入れています。 Qフレンズはどんなどころ? *小学6年生の児童(取材時) 「楽しいところ。友達もいっぱいいるし、不安はそんなにない」 *小学2年生の児童(取材時) 「みんなでたくさん運動とか勉強とかできて楽しいところ。学校はなんか行きたい気持ちになれない。でもここはたくさん行けるっていう感じ」 文科省の調査によると、県内の不登校の小中学生は2192人で増加傾向にあり、フリースクールなど民間の子どもの居場所、そしてそれらに通う子どもの数も増えています。 これを背景に子どもの居場所作りに取り組む団体などでつくる「富山県不登校を考えるネットワーク」は去年、フリースクールの開設や運営などへの公的な支援を県に要望しました。 *新田知事 「家庭と学校以外での居場所の選択肢を増やすため、フリースクールなどの利用料を助成する。全国トップクラスの支援と自負している」 県はフリースクールの開設や活動に対する補助に加え、利用料についても世帯収入に関係なく月1万5000円を上限に半額を補助する制度を導入しました。 全国の不登校支援の状況に詳しい「不登校新聞」の編集長、石井志昴さんは県の姿勢をこう評価します。 *不登校新聞 石井志昴さん 「フリースクールに通うことは経済的に負担がある。直接フリースクールに通う費用を負担するのは、本当に求められていた30年前から、ずっとこの支援をしてほしいと願っていた支援ではないかと。これが実っているのは大きな一歩を歩んでいる」 こうした支援によりフリースクールの増加が見込まれる一方で、石井さんが足りないと指摘するのは、その周知です。 県不登校を考えるネットワークによると、県内の不登校の子どものうち7割以上が学校以外の居場所となるどの民間団体や公的機関とも繋がっておらず、孤立状態にあるといいます。 求められるのは、その子どもたちと保護者にフリースクールなどの支援があることを伝える術です。 *不登校新聞 石井志昴さん 「学校に行っている子、学校に行っていない子、その保護者に対してどんな支援先があるのか、不登校になったらどこに相談して、どんなところに居場所があるのかを(学校に)行っている子にも行っていない子にも伝えてほしい。情報は支えになる。自分も不登校になった時に、フリースクールがあると知って「そこに行こう」って情報が生きる支えになった。子どもはいつでも不登校になるかもしれない。情報で子どもたちを支えてほしい」 県は今年3月にネットワークと協力して制作した不登校の子どもの居場所を紹介する「不登校よりそいMAP」を、県内すべての小中学校や図書館、病院などで配布するなど、支援先の周知も進めています。 不登校の子どもたちとその家族、加えて社会全体の理解が進むよう取り組むべきは、まだまだあると言えそうです。
富山テレビ放送