「うまく怠けられる人」の4つの特徴とは?上手に怠けるコツを「心のプロ」が解説
「怠ける」を辞書で引いてみると、「なすべきことをしない」「まじめに行わない」などと書かれており、とてもネガティブなニュアンスの言葉に思えます。しかし、実は「怠ける」ことは、私たちに必須のスキルです。仕事、家事、育児、介護…など「なすべきこと」が山のようにある現代では、あえて「なすべきことをしない」、つまり「怠ける」という判断が心や身体を守るのです。今回は、うまく怠けられる人の特徴をチェックリスト形式でご紹介。うまく怠けるための方法も解説します。 〈写真〉精神科医が考える「相手にしてはいけない厄介な人」の特徴と対処法 ■うまく怠けられる人チェックリスト まずは、うまく怠けられる人のチェックリストに挑戦してみましょう。 □タスクに優先順位をつけられる □自分に何がどこまでできるか理解している □「面倒くさい」「しんどい」に敏感 □暇な時間を確保できる 当てはまるものが多いほど上手に怠けられています。 ■うまく怠けるための方法とは? 先ほどのチェックリストの項目をもとに、うまく怠けられる人になる方法を学んでみましょう。 ■■タスクに優先順位をつけられる 世の中には「した方がいいこと」が溢れています。しかし、全てやろうと思うと時間がどれだけあっても足りません。もちろん怠ける時間なんてもってのほかです。 うまく怠けられる人は、自分が抱えるタスクに優先順位をつけられます。 それぞれのタスクを、 ・緊急性:締め切りまでの時間が短いほど緊急性が高い ・重要性:得られる報酬もしくは損害が大きいほど重要性が高い の2つで分類し、緊急性と重要性がともに高いものから処理していくと良いでしょう。 緊急性も重要性も低いものは、基本的に「やらなくてもいいもの」です。思い切って放っておいたり、誰かに任せたりしてみましょう。 ■■自分に何がどこまでできるか理解している うまく怠けられる人は、自分の能力(「何が」「どこまで」できるのか)を正しく把握しています。 そのため、 ・自分にはまったくできないこと ・自分でもギリギリできるけれど、もっと得意な人がいること については、他者に任せる判断が素早くできます。あなたの能力についても見つめ直してみましょう。 もちろん、任せるばかりでは他者も嫌な気分になってしまいます。そこで、うまく怠けられる人は自分にとって比較的得意なタスクを代わりに引き受けます。 結果として、短時間かつ少ない労力で苦手な仕事を完了できるのです。 ■■「面倒くさい」「しんどい」に敏感 うまく怠けられる人は、自分の「面倒くさい」「しんどい」といったネガティブな感情を敏感に察知します。 そのため、「どうすれば面倒なことをすぐ終わらせられるだろう」「どうすればしんどいことから逃げられるだろう」と考えられます。 しかし、怠けられない人は、自分のネガティブ感情を無視する癖があり、「面倒くさい」や「しんどい」に気づこうとしても、気づけないかもしれません。 そんなときは身体のサインに目を向けてみてください。 ・眠れない(寝つきが悪い、眠りが浅い、途中で起きてしまうなど) ・めまいや吐き気がする ・頭、首、肩、背中などが痛む ・お酒や煙草の量が増える ・味の濃いものや辛いものが食べたくなる 上記のように、身体の調子が乱れてしまったり、ストレスを発散するモノやコトを過剰に求めたりする場合、「しんどい」や「面倒くさい」を溜め込んでしまっている可能性があります。 ■■暇な時間を確保できる 暇な時間をしっかり確保することも、うまく怠けるためのコツです。 私たちは「暇ができたらゆっくりしよう」と考えがちです。しかし、そう考えていると、いつまで経ってもゆっくりできません。 それは「パーキンソンの法則」があるからです。パーキンソンの法則とは、イギリスの政治学者パーキンソンが提唱した、「仕事は利用可能な時間を使い果たすまで膨張する」という法則のこと。 「暇ができたら」と思っていても、仕事や家事は時間をすべて使い尽くしてしまうため、ゆっくりする時間はとれなくなってしまうのです。 ゆっくりする時間を事前に確保し、その時間には何も入れないことが、確実に怠けるためには必要です。 ■さいごに これまで真面目に努力してきた人にとって「怠ける」のは心理的なハードルが高いかもしれません。 しかし、怠けずに倒れてしまう方が、自分にも、周囲にも、ネガティブな影響を与えます。少しずつ怠けてみましょう! ライター/佐藤セイ(臨床心理士)
佐藤セイ