2019年ラグビーW杯抽選。日本は本当にベスト8進出が可能な天国組なのか?
組織を束ねるジョー・シュミットヘッドコーチは、「日本代表は短期間で大きく進化した」と気を引き締める。ジョセフヘッドコーチがキック戦略とボール奪取からの攻めを標榜する点も、熟知しているようだ。 「日本のコーチ陣のことは知っていますが、また効果的な進化を遂げるでしょう。ボールの奪い方も非常によくなってきた。このプールが難しくなるのは間違いない」 そのアイルランド代表を負かしたばかりなのがスコットランド代表だ。 今年2月、ヨーロッパ6か国対抗戦の第1節。フォワードの見せ場となる空中戦のラインアウトにバックスの選手が入ってトライを奪うなど、創意工夫で光った。 前回のイングランド大会では予選プールで対戦。日本代表を倒した唯一の相手にもなった。2016年の再戦でも2連勝。それでも、来日中のスコット・ジョンソン強化責任者は、殊勝に語る。 「主催国と同じチームに入ったのは、光栄なことだと思っています」 「バンド4」の「ヨーロッパ予選1位」、「バンド5」の「プレーオフ勝利チーム(オセアニア地区予選またはヨーロッパ予選に参加)」も侮れない。 「ヨーロッパ予選1位」の最右翼は、今年6月に日本代表と試合をするルーマニア代表。前体制下だった2012、13年に敵地で当たった際には2連勝も、強力なスクラムに手を焼いていた。 さらに「プレーオフ勝利チーム(オセアニア地区予選またはヨーロッパ予選に参加)」には、ルーマニア代表をはじめとしたヨーロッパ勢、または日本が歴史的に苦手とする環太平洋諸国の猛者が入る。 環太平洋諸国といえば、本番時のチューンナップに定評がある。トンガ代表には、2011年のニュージーランド大会で日本代表、フランス代表を一蹴した歴史がある。 イングランド大会では日本代表がサモア代表に勝っているが、当時はジョーンズ体制下でのち密な準備が背景にあった。たとえばまとまりが肝要なスクラム(フォワードが8対8で組み合うプレーの起点)やモールなどを、専門コーチが錬成。直前期は「モールで相手が反則をしてきて、かつ、それをレフェリーに見落とされた時も塊を崩さない練習」に時間をかけていた。裏を返せば現体制下でもそれと似たアプローチが求められる。