「過重な労働による疲労や強いストレスにより…」34歳で自殺した男性の両親が会社に対し約7000万円の損害賠償を求め提訴
会社での強いストレスが原因で自殺したとして2022年「労災」が認められた男性の両親が、当時勤務していた長野県飯田市の会社に対し損害賠償を求め提訴しました。両親は「会社は責任を認め息子の遺影の前で『もう二度と社員を自死させるようなことがないような対策を実現していく』とお参りしてほしい」などと話しています。 提訴したのは飯田市の多摩川精機に勤務し、2021年4月、34歳で自殺した吉田午郎さんの両親です。 訴状などによりますと、「過重な労働による疲労や強いストレスにより自殺に至ったもので、会社は安全配慮義務を怠った責任がある」とし、約7000万円の損害賠償を求めています。
吉田さんの自殺を巡っては、両親が2021年に飯田労働基準監督署に「労災補償」を申請。2022年10月、労基署は仕事内容の大きな変化や仕事量の増加、上司の叱責などが重なったなどとし、「労災」を認めました。 ただ、両親によりますと、その後も会社側はお参りに訪れることはなかったということです。 吉田午郎さんの両親は12月26日会見を開き、母・恵美子さんは、「この裁判を通して多摩川精機は責任を認め午郎の遺影と遺骨の前で『会社として配慮や援助ができず申し訳なかった。もう二度と社員を自死させるようなことがないような対策を実現していく』とお参りしてほしい思う」と話しました。