【ウインターカップ2023】インターハイ王者に挑んだ高岡第一、笹倉快斗は39得点も「50点でも60点でも取らなきゃいけなかった」
「僕がもっともっと点を取れば、この試合に勝てた」
新型コロナウイルスの影響が強かった時期に進路を決めない事情もあったが、地元の富山で全国を狙えるチームという理由で笹倉は高岡第一を選択した。「それもあるんですけど、八村塁さんや馬場雄大さんを輩出した富山に残って、自分も成長したいと思いました」と彼は言う。 去年はウインターカップ出場を逃し、今大会に懸ける思いは並々ならぬものがあった。出場権は勝ち取ったものの、大会1カ月前のU18ブロックリーグでは、ウインターカップ出場を逃したチームにも敗れて4戦全敗。「そこからウインターカップまで、死ぬ気で頑張りました」と笹倉は振り返る。「ウインターカップで活躍することを目標に3年間やってきて、この1カ月はどの1カ月よりも充実していたと思います。特に何か変わったことをしたわけじゃないんですけど、バスケに対する思い入れが本当に強かったし、楽しい1カ月でした」 2回戦敗退とはなったが、インターハイ王者を相手に堂々の活躍。やりきった思いがある一方で、エースとしてチームを勝たせられなかった悔しさが、涙となって笹倉の頬をつたう。 「2年から主力として使ってもらって、先生からも『お前は全国大会で十分通用する』と励ましてもらって、大事な場面はすべて託してくれました。その期待に応えられることをまだ見せたかったです。40点ぐらい取れたことで自分のやっていたことは間違っていなかったとは思いますが、僕がもっともっと点を取れば、この試合に勝ってまだ先に進めたとも思います」 大学でもバスケを続けるという笹倉は、「次のステージではもっと努力して良い選手になりたい」と語る。目標はBリーグでプレーするプロ選手。この悔しさが、彼をまた一つ大きく成長させるはずだ。
鈴木健一郎