動物保護団体も「外国の代理人」?、ジョージアでスパイ法案に大きな懸念
旧ソ連構成国ジョージアで海外から寄付金を受け取っている非政府組織(NGO)は、物議を醸している「外国の代理人(スパイ)」法案により、自分たちが「外国の代理人」に指定されるのではないかと懸念している。 ジョージアにある、サラ・ケメクセイさんの犬の保護施設は、主に海外からの少額の寄付で運営されている。ケメクセイさんは同国の街をさまよう推計50万頭の動物の一部に、新しい家を見つけている。しかし、大統領が拒否権を発動したものの、議会で28日に可決された物議を醸す法案の下では、ケメクセイさんの小さなシェルターは「外国の影響の代理人」に指定される可能性がある。「私たちが求める唯一の利益はこの犬たちの利益だ。この中のどの犬が外国勢力かなんて、私に答えられる人などいないだろう」 外国から資金提供を受けている団体を規制する「外国の代理人(スパイ)」法案は、ジョージアで政治危機を引き起こした。1991年のソ連からの独立以来最大の抗議活動が起き、西側諸国から批判の声が上がった。この法案は資金の20%以上を外国から受け取っている団体に「外国の代理人」として登録を義務付け、違反した場合は罰金を科すというものだ。 政府は、新法はジョージアの主権を守り、透明性を促進するとしている。しかし多くの非政府組織(NGO)は、新法が自分たちの活動を妨げ、阻止することを懸念している。 麻薬中毒者やHIV患者を支援する団体「タナドゴマ」は、この法案により資金の大半を占める外国からの援助が遠ざかる可能性に不安を感じている。 シンクタンク「経済政策研究センター」のニノ・エフゲニゼ氏は、同組織が閉鎖されるのではないかと懸念している。彼女はこの法案がソ連時代の弾圧を思い起こさせるものだと考えている。「この自由のための戦いは、世代を超えた戦いだ。私たちの両親、祖父母、そしてその両親は皆、外国の影響力の代理人だとされて、殺されたり、追放されたり、投獄されたりしたのだから」