県薬連、来春に移転 富山駅東の会館老朽化 候補地、跡地利用を検討
富山県薬業連合会が来年春、「富山県薬業会館」(富山市千歳町1丁目)から移転する方向で検討していることが2日、薬連関係者への取材で分かった。富山駅東に立地する会館は建設から半世紀余り経過し老朽化しているため、今年度末で使用を取りやめる方針。移転先は未定だが、他のビルなどへ入居する可能性が大きく、跡地の利活用を含め検討を進める。 県薬業会館は6階建てビルで、1971(昭和46)年8月に建てられた。薬連の事務局をはじめ、テナントとして製薬関連団体などが入居する。薬連はテナントに対し、来年3月末までに退去を求める方針という。 会館は元日の能登半島地震で大きな被害を受けなかったが、耐震補強は施されていないため、会員から「この先さらに地震が起きた時に持ちこたえられるのか」と不安の声が出ていた。老朽化した会館の取り扱いは以前からの懸案で、地震を機に安全面を考慮して移転を急ぐことにしたという。 ●他のビルに入居見通し 原材料、エネルギー価格の高騰など製薬業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、多額の費用を投じて現在の場所に自前の会館を新しく建てるのは難しく、他のビルなどへ入居する可能性が大きい。複数の候補地を選定し、賃料や駐車スペース、業界の振興などで連携する県庁との位置関係などを考慮して絞り込むとみられる。 会館は駅東の大通りに面し、向かいのボウリング場「富山地鉄ゴールデンボウル」周辺は、県サッカー協会の新スタジアム構想の候補地の一つになっている。「利便性の高い一等地」(薬連関係者)のため、跡地の利活用についても検討を急ぐ。