日野聡、「オーバーロード」シリーズ初の完全新作劇場版公開に感謝!収録では「間をたっぷりとって喋った」と笑顔
丸山くがねの人気ノベルを原作とするアニメ「オーバーロード」。シリーズ初となる完全新作劇場版『劇場版「オーバーロード」聖王国編』の初日舞台挨拶が9月20日、TOHOシネマズ六本木にて開催され、アインズ役の日野聡、アルベド役の原由実、デミウルゴス役の加藤将之、ネイア役の青山吉能、レメディオス役の生天目仁美、シズ役の瀬戸麻沙美らメインキャストを務めた声優陣が登壇した。 【写真を見る】日野聡演じるアインズ。威厳のある喋りのポイントは”間”とのこと。 シリーズ初の完全新作劇場版は、テレビアニメに続き伊藤尚往が監督を務め、マッドハウスがアニメーション制作を担当している。完全新作での劇場版ではずっと支えてくれたファンへの感謝の気持ちを込めてアフレコに挑んだと明かし、大きな拍手を浴びた日野。アニメ第1期は2015年7月にスタート。2017年には劇場版総集編が公開されたが、完全新作での劇場版は初。作品に携わって約10年を振り返った加藤は「ここまで長かった~!」としみじみ。完成披露の舞台挨拶や作品の特番などでもネタバレNGで言えないことが多かったため、公開初日までの日々がより長く感じていたようで、「やっと言える!という開放感に浸っております」とホッとした表情を浮かべていた。 劇場版で自身の役が活躍することは聞いていたという瀬戸は「観ていただいた後の舞台挨拶。内容に触れられるのでとってもうれしいです!」とニッコリ。シリーズ初参加の青山は、タイトルを知っていた作品になので、携われることがうれしいと満面の笑みを浮かべ、「ネイアは生存ルートに入ったのかな?」と演じた役の現状に触れていた。「舞台挨拶にまで立てるキャラを演じるとは思ってなかった」と話した生天目は「めでたく死亡ルートに…」とコメントし笑いを誘う。映画を観た後ではレメディオスにはいい印象を持っていない人が多いかも観客の気持ちを予想しながら、「彼女には彼女の正義があって突き進んだ結果が悪に見えるという役」と解説。初日を迎えたことをうれしく思うと同時に、「作品を観たばかりなので、私にはヘイトが来るはず……」と苦笑い。レメディオスの正義について、理解できたかどうかを観客に尋ねてみると、多くの観客が理解できたと手を挙げる。この光景を目にした生天目は「(レメディオスの正義が)通じた!」と大はしゃぎしていた。 イベントではシリーズ初の映画化、初IMAX作品ということで、”初”にちなんだお題でトークをするコーナーも。声優の仕事を始めた際に、クレジットの一番最後に名前が出ることを目標のひとつとしていたという加藤は、本作でその目標を達成。「試写会で目の当たりにして感動しました。まさか自分の大好きな『オーバーロード』という作品でその夢が叶えられるなんて…」とうれしい報告をし、大きな拍手を浴びる。「46歳になり、ついにきました、老眼が!」と告白した日野は自身初の老眼鏡を作ったそうで「世界が変わります」とニコニコ。加藤は「ベテランのみなさんは、マイク前に行くまでにピントを合わせがち」と台本を前後してマイク前まで行く様子を再現する場面もあった。原の“初”は開催中の「オーバーロード展」での出来事。原作者の丸山にバッタリ遭遇し、なんと丸山のガイド付きで展覧会をまわったという。「展覧会などは1人で行くので、フォトスポットではいつも自撮り。今回は先生が撮影してくれました!」と報告。まさかの原作者によるガイド付きの展覧会鑑賞には「贅沢すぎる!」「うらやましい!」との声が飛んでいた。 本作は声を吹き込んでから画を制作する「プレスコ」方式を採用して制作された。収録時には「日野さんの“間”でたっぷりと喋ってください、と監督から言われたので、心ゆくまでたっぷりと“間”をとって喋りました」と振り返った日野。アインズは威厳を保つのに“間”がポイントになっているため、アニメシリーズよりもたっぷりと尺があったことで、思う存分“間”が取れたと充実感を滲ませる。「アニメーターの皆様にはご苦労をかけてしまったかもだけど…」と申し訳なさそうにしつつも「すてきな画をあわせてくださった」と感謝し、「全力を出し切れました!」と力を込める日野に、この日一番の大きな拍手が贈られていた。 取材・文/タナカシノブ