日本代表と11月決戦「最強インドネシア代表に警戒せよ」(3)11月に「U‐21オランダ代表」も加入、元C大阪「Jリーガー」も、W杯8強「第2のセネガル」へ
■24人中「11人」がオランダ生まれ
3次予選4試合で、申台龍監督は24人の選手をピッチに立たせている。そのうち11人がオランダ生まれで、そのほかに、ベルギー生まれ、スペイン生まれ、そしてフィンランド生まれの選手がひとりずつ。すなわち、24人中14人がインドネシア外で生まれた選手ということになる。 4試合フル出場のGKマールテン・パエスはオランダ生まれ、オランダU-21代表の経歴がある。現在はアメリカのFCダラスでプレーしており、「MLS(アメリカ/メジャーサッカーリーグ)屈指のGK」と言われている。 190センチの長身CBジェイ・イジェス(ベネツィア=イタリア=所属)もオランダ生まれ。この選手も、GKパエス、左サイドバックのカルビン・フェルドンク(オランダ生まれ、NECナイメヘン=オランダ=所属)とともに4試合フル出場している。 攻撃陣を牽引するのが、28歳、やはりオランダ生まれの攻撃的MFラグナ-・オラトマンゴエン(デンデル=ベルギー=所属)。第3節のバーレーン戦では、前半のアディショナルタイムにこぼれ球に鋭く反応して同点ゴールを決めている。このゴールにつながるプレーをしたMFイバル・ジェナー(ユトレヒト=オランダ=のセカンドチーム所属)もオランダ生まれで、オラトマンゴエンともに4試合すべてで先発出場しているが、警告の累積で日本戦には出場できない。
■88年ぶりの「ワールドカップ」出場へ
攻撃陣で今、注目を集めているのが21歳のFWラファエル・ストライクだ。バーレーン戦では後半に見事な逆転ゴールを決めている。ペナルティーエリアの左角外でボールを受け、一歩持って入って右足でカーブをかけてゴールの右上隅に送り込んだ。もちろんオランダ生まれで、全4試合に先発出場。今年1月のアジアカップ、5月のAFC U-23アジアカップでも活躍、現在はオーストラリアのブリスベーン・ロアーに所属している。 10月シリーズには負傷で参加できなかったが、昨年セレッソ大阪に在籍した大型選手のジャスティン・ヒュブナーも注目のひとりだ。CBとボランチをこなし、187センチと大柄で、存在感を放つ。所属のウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(イングランド・プレミアリーグ)ではまだ出番がないが、将来性の高い21歳の選手だ。もちろんオランダ生まれである。 インドネシア・サッカー協会はさらに選手を探し、交渉を続けており、11月にはオランダ生まれ、U-21オランダ代表の経歴を持ち、現在はデンマークでプレーするケビン・ダイクス(コペンハーゲン=デンマーク=所属)が加わるという報道もある。 今回の予選を見ると、インドネシアは試合ごとに自信をつけ、チームが急速に成熟しつつある。その一方で申台龍監督は、前述の6人ばかりの中核選手を除くと試合ごとに先発を入れ替え、常にフレッシュな状態で戦わせている。「3強3弱」と言われたC組で、その「3強」のうちの2チーム、サウジアラビア、オーストラリアと引き分け、「88年ぶりのワールドカップ出場」はまだまだ手が届くところにある。 インドネシアが「第2のセネガル」にならないと、誰が言えるだろうか。
大住良之
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