インバウンドにも人気! 漫画・アニメ・アイドル…心ときめく「コラボカフェメニュー」誕生の舞台ウラ
写真と違う! とならないために
依頼を受けてから、約1~2週間でメニュー考案・イラスト案(フード3~4品、デザート2~3品、ドリンク5~10品)を作成。その後、クライアント等の監修チェックや試作・修正を経て、ゴーサインが出たところで撮影や最終的なレシピ・盛り付け表を完成させる。場合によっては、コラボカフェスタッフへのレクチャーも行うという。 「メニュー考案のこだわりはいくつもあります。 例えば、キャラカラーが“青”の場合は使える食材が限られるので、ブルーソーダなどに偏るケースが多いんです。その場合はトッピングで差別化を図ったりして、できるだけほかのコラボカフェメニューと被らないように意識します」 さらに、実際にコラボカフェで調理・提供するスタッフのことも考えなければならない。 「レシピや盛り付け表を、できるだけシンプルにするのも大切です。 調理や盛り付けにこだわって提供までに時間がかかるメニューは、現場に混乱を招く原因にもなります。さらに、レシピや盛り付けを複雑にした結果、スタッフによるクオリティーの差が生まれて、『せっかくコラボカフェに来たのに、メニュー表や事前告知で見た写真と違う!』と、お客さんをガッカリさせてしまうかもしれません。 なので、誰が作っても同じクオリティーのものが作れるようなレシピ作りや盛り付けを意識しています」 特に大事にしているのは、印象的なシーンをメニュー化することだと郡司さん。 「どの作品にも、名シーンや名ゼリフがありますよね。やっぱり、印象に残るシーンをメニュー化すると、ファンの心に響くんです。 チェーン店なども参入しているいま、そのコラボカフェにファンの心を掴むメニューがあるかどうかは、ますます大事な要素になってくると思います」 コロナが落ち着いて、インバウンド需要が戻りつつあるいま、海外からのファンの旅行者にとってコラボカフェは、日本を代表する「キラーコンテンツ」になる可能性も秘めている。 「毎週のようにコラボカフェに行くのですが、少しずつ海外からの旅行者を見かけるようになりました。そして、私たちと同じようにコラボカフェを楽しんでいます。 これからも、日本のファンにコラボカフェを広めたいという気持ちと同時に、海外からやってきた日本の漫画・アニメファンにも、日本のコラボカフェは美味しくて楽しいと思ってもらえるように、メニュー考案の裏側で支えていきたいと思います」 取材・文:安倍川モチ子 WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。
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