「頼もしい」復調のカギ アルファ・ロメオ・トナーレへ試乗 一貫性や調和が惜しいプラグインHV
初のモデルとして誇れる完成度 競争力は低くない
乗り心地は、FSDを組んだマイルド・ハイブリッドの方がベター。荒れたアスファルトでも、衝撃を巧妙に均していた。車重が増えることもあって、プラグインでは落ち着きを保つことに若干苦労していた様子だ。 燃費は、プラグイン・ハイブリッドで17.6km/L。高速道路を長距離走るような場面では、11.3km/Lへ落ち込んだ。そのかわり、市街地中心で58kmを電気だけで走れることも確認している。 かくして比較的ハンサムなトナーレは、競争の厳しいCセグメントのSUVとして、低くない競争力を備えた選択肢に仕上がっている。欧州では特に人気カテゴリーの1つといえ、アルファ・ロメオにとっては頼もしい存在に違いない。 インテリアの品質や車内空間、ハイブリッド・パワートレインの一貫性や洗練性など、もう少しを求めたい部分は確かにある。価格設定も、比較的お高めといっていい。 それでもトナーレは、このクラスにおける同社初のモデル。充分に誇れる完成度にある。ダイナミックな魅力では、同様に初めてのSUVとなった、ステルヴィオには届いていないとしても。
アルファ・ロメオ・トナーレ 1.3PHEV ヴェローチェ(英国仕様)のスペック
英国価格:4万8440ポンド(約916万円) 全長:4530mm 全幅:1840mm 全高:1600mm 最高速度:206km/h 0-100km/h加速:6.2秒 燃費:71.4km/L CO2排出量:33g/km 車両重量:1835kg パワートレイン:直列4気筒1332cc ターボチャージャー+電気モーター 使用燃料:ガソリン 駆動用バッテリー:15.5kWh 最高出力:280ps/5750rpm(システム総合) 最大トルク:-kg-m ギアボックス:6速オートマティック(四輪駆動)
イリヤ・バプラート(執筆) 中嶋健治(翻訳)