パナソニックHDの子会社、電子部品などで不正 検査結果改ざんなど
パナソニックホールディングス(HD)の電子部品事業子会社「パナソニックインダストリー」は1日、販売する電子材料と電子部品の計約5200品番で、認証の不正取得や検査結果の改ざんなどの不正が行われていたと発表した。 インダストリーの坂本真治社長とHDの楠見雄規社長は経営責任を取り、それぞれ月額報酬の50%を4カ月自主返納する。 同社では1月、安全性に関する第三者機関「UL」の認証を申請する際に数値を改ざんするなどの不正が発覚。7月時点で12件153品番の不正が判明していた。外部調査委員会による調査の結果、UL認証以外でも1980年代から検査データの改ざんなどが見つかり、不正は計93件約5200品番に膨れ上がった。 不正があったのは国内外全55工場のうち40工場。2022年1月には坂本社長ら経営層が不正についての報告を受けながら、対象製品の販売終了などを理由に顧客に報告していなかったことも明らかになった。 不正が確認された材料や部品は約4000社に出荷された。これらが使用されている自動車や家電などの製品の不具合は報告されていないという。坂本社長は大阪市内で開いた記者会見で「企業向け取引が主で、消費者が製品をどう使うか見えず、品質保証体制の甘さにつながっていた」と謝罪した。【妹尾直道】