「揚げ物はキッチンが汚れる」を逆手に…飛田和緒の「油の始末」が生み出す魔法
東京ガスの暮らしメディア「ウチコト」によれば、週1日以上家で料理する女性の7割近くが家で滅多に揚げ物をしないと答え、その一番の理由が「使い終わった後の油の処理が面倒」(60.1%)で、続く2位と3位が「揚げる手間が面倒」(50.5%)、「コンロやキッチンが汚れる」(46.6%)なのだそう。 【写真】「揚げ物大好き」飛田和緒さんのキッチンがピカピカの理由 一方、人気料理家の飛田和緒さんは、大の揚げ物好き。 揚げればいいだけの天ぷらやフライなら、下ごしらえに手間がかからず、調理時間も短くて楽ちんと、家族にリクエストされると「天ぷらでいいの?」と聞き返してしまうほど。 一人分でも食材を無駄なく使って、楽しく、おいしく食べきる台所の知恵を飛田さんに習う連載「始末の料理」。11回目は「揚げ油」について聞きました。
揚げ物大好き、そのワケは
揚げ物は好きだけど、揚げた後の油の処理が面倒……。そんな方にぜひ知っていただきたいニュースがあります。 先月28日、横浜市は廃食油を原料とした持続可能な航空燃料の製造推進に関する連携協定をJALと締結したと発表しました。代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:サフ、持続可能な航空燃料)」の原料として、廃食油の回収の実証実験を今月にも開始するといいます。 東京都もSAFの原料となる廃食用油の回収キャンペーン等をイトーヨーカドー他、ENEOS、セブンイレブンなどと共同実施するとしています。 「廃油のリサイクルが、揚げ油の処分に困っている人の助けになって、もっと気軽に揚げ物ができるようになるといいな」と飛田さんは言います。 そんな飛田さんは、天ぷらを揚げる頻度がとても高いそう。 天ぷらといえば、SNSや動画サイトでは油をあまり使わない「焼き天ぷら」が注目されていますが、飛田さんも揚げ油の量は、わりと少量派。 小さな鍋を揚げ物専用にして、揚げ油は短期間で繰り返し使ったら、炒め物などで使い切っているそう。 どんなものを揚げているのでしょう。 「油で揚げる調理法は、火通りが早くて、ボリュームも見た目もよくなり、家族にも喜ばれます。 野菜や魚のシンプルな天ぷらなら、材料を切って衣をつけて揚げるまで15分ほどで完成。とにかく揚げるだけだから時短でしょ。 山菜のようにアクが強く、クセがある食材だって、天ぷらにして揚げるとぐんと食べやすくなります。ピーマンやにんじんが苦手という人でも、かき揚げにすれば、香ばしさでペロリ。焼くには小さかったり、煮ると食べづらかったりする小さな魚も、とにかく揚げてしまえば丸ごと食べられます。 揚げたてはもちろんおいしいけれど、揚げてからめんつゆなどにつける揚げびたしなどは時間をおいてもおいしく、作り置きもできます」