【バレー】ユニフォームを着られなくても 鎮西高キャプテン香本夏輝の決意 舛本颯真の言葉「誰よりも努力しろ」 を胸に
その思いで仲間への声かけも欠かさず、今年度はインターハイでベスト4入り。リベロの栗原、ミドルブロッカーの池松青汰以外のレギュラーは1、2年生で、伸びしろは大きい。 「自分からミスをせずに、練習してきたことをきちんとすれば負ける要素は一つもないと思うので。気を使って『3年生のために』とは思わずに、どんどん自分たちらしいプレーをしてほしいです」 「夏輝さんのために」。後輩たちがそう思いたくなる取り組みをしてきたのは、紛れもなく香本だ。 香本夏輝 こうもと・なつき/3年/身長160㎝/最高到達点300㎝/山鹿中(熊本)/セッター
舛本(中央大2年)から香本へ 「後悔しないかたちで終われるように」
今季から中央大でレギュラーをつかみ、春季リーグ戦、東日本インカレ優勝に貢献した舛本にとっても、香本との思い出が色あせることはない。当時、舛本にとって香本は2学年下で、ましてやキャプテンとメンバー外。距離があってもおかしくはなかったが、舛本は「いちばんまじめに取り組む子で、性格もよくて。そういう子と一緒にプレーしたい」と練習に誘った。 エースとして徹底的にサーブで狙われても、崩れない。それは香本と汗を流した日々が大きかった。「あのおかげでプレーがだいぶよくなったので、感謝しています」。卒業後も連絡を欠かさない後輩へ、「コートに入りたくて、キャプテンとしていろいろ悩んだと思います。最後はみんなをサポートして、自分が後悔しない、いいかたちで終われるようにしてほしい」と優しい眼差しで語った。 文/田中風太(編集部) 写真/中川和泉(NBP)、編集部
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