【春季愛知県大会】中京大中京が序盤のリードを守り切り、完封リレーで日本福祉大附を退ける
<春季愛知県高校野球大会:中京大中京4-0日本福祉大附>◇28日◇準々決勝◇愛知時計120熱田 【トーナメント表】春季愛知県大会 結果一覧 日本福祉大附は、先週の3回戦で中部大一に序盤で4点をリードされながらも、中盤以降で追いつきひっくり返した。「チームとしても、初めて夏のシード権を獲ったのは嬉しい」と、山本常夫監督も素直に喜びを表していた。今年のチームは、知多地区予選でも大府を下して1位校として県大会に進出。突出した選手がいるわけではないものの、チームとしてのまとまりはいいという印象だ。 素材力では高いと言われている中京大中京は、名古屋地区予選では2次決勝トーナメントで東邦にコールド負けするなど不安定さものぞかせたが、県大会では2試合連続で無失点のコールド勝ち。3回戦でも尾張地区1位で今年は力があると言われていた誠信を6対3で下した。ここまでは勝つべくして勝ち上がってきたといっていいであろう。 中京大中京は初回、先頭の仲 健太郎内野手(3年)が右前打で出塁すると、バントが悪送球となり二、三塁。申告敬遠四球もあって1死満塁としたところで、四球押し出しと左犠飛で2点を先取する。さらに、2回にも2死一、二塁から、3番・山田 頼旺外野手(3年)の高い右飛は二塁打となって2人がかえり4点目が入った。 試合はその後、中京大中京の佐藤 爽楽投手(2年)と、日本福祉大附の澤田 正吾投手(3年)の両左腕の淡々とした投げ合いという展開になっていった。中京大中京は、6回に2死一、三塁という場面を迎えたところで、沖 悠人投手(3年)をリリーフに送っている。沖投手は結局、3.1イニングで被安打は9回の1本のみで、しっかりと投げていっていた。 中京大中京としては、注目されている中井 遙次郎投手(3年)と宮内 渉吾投手(2年)を使わずして継投の完封で抑えられたことも大きかった。高橋源一郎監督は、「初めて起用した佐藤がよく投げてくれたのは大きい。2まわりをしっかり抑えて、3まわりめくらいで捉えられてきたかなという感じがしたので、迷うことなく沖をリリーフとして送った」ということだったが、その継投もしっかりと決まったと言っていいであろう。 また、攻撃に関しては序盤にややラッキーな面もあって2点ずつ入れていったのだが、「今日は、打線をちょっといじったのだけれども、1番に起用した仲が最初に打ってくれて、それがいい流れを作って相手のミスも呼んで2点を取れたことは大きかった」と、チームとしてもいい形で機能している感触を得ているようだ。注目度の高い、山田はこのところ少し迷いもあって、もう一つ結果を出せていないということなのだが、チームのムードとしては悪くないという感じである。 日本福祉大附の山本常夫監督は、「いつも立ち上がりはあまりよくない澤田が、今日はいい感じで悪くなかったんだけれども、守りでのミスが出てしまった。この大会では、夏のシードを初めて取れたことはよかったけれども、競った試合をものにしていく力をつけていかないといかん。また、もう一度作り直しですね」と、夏へ向けての思いを語っていた。