復帰即マルチ安打の大谷翔平にロバーツ監督「もう驚かない」 次は日本人初スプラッシュ弾だ
◆米大リーグ ジャイアンツ4―6ドジャース=延長10回=(13日・米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク) 【動画】試合前にブルペンでキャッチボールする大谷 ドジャース・大谷翔平投手(29)が13日(日本時間14日)、敵地ジャイアンツ戦に「2番・DH」で出場。腰の張りから2試合ぶりに復帰し、マルチ安打で逆転勝ちに貢献した。先発の山本由伸投手(25)は6回途中4失点。打線の援護で勝ち負けはつかなかった。 1球で周囲の心配を吹き飛ばした。1点リードの初回無死。大谷は腰の張りから復帰初打席の初球を振り抜いた。打球速度106マイル(約170・6キロ)の痛烈な右前打だ。2点を追う5回2死三塁では快足を飛ばして二塁へ適時内野安打。出場2試合ぶりのマルチ安打で打点も挙げ、逆転勝ちに貢献した。 3回に空振りした際には腰を気にするそぶりを見せるなど、状態は万全ではないのだろう。それでも、復帰初戦から打線を活性化させ、ロバーツ監督は「もう驚かないね。彼は誰よりも足が速い。誰よりも打球に勢いがある。翔平にできないことは何もないよ。いろんなやり方で相手をやっつける」と舌を巻いた。 11日(同12日)のパドレス戦前のトレーニングで腰に違和感を覚え、12日(同13日)は今季2度目の欠場。「急性期に対する治療はしましたけど。(監督から)言われたところで(休養を)取るべきなのかな」と説明していた。ダルビッシュとの対戦を回避して臨んだ復帰戦で、野球ができる喜びを打って走って表した。 三塁側の観客席ではジ軍で日本人初のメジャーリーガーとなった村上雅則氏(80)が観戦。試合前には「頑張れよ」と声をかけた。日本ハム時代には通算660本塁打のウィリー・メイズのサイン球を贈ったそうで「(当時は)きょとんとした感じ。今になって(価値が)分かってきたのでは」と述懐した。 オラクルパークでは右翼場外の海に飛び込む本塁打を「スプラッシュヒット」と呼ぶ。日本人で達成した選手はおらず、初回の大谷の打席では8隻のボートが待ち構えた。今カードは残り2試合。前人未到の道を歩む男が新たな伝説を刻む。(中村 晃大) 初の盗塁死でもアウトにならず 大谷に、「アウトにならない盗塁死」が記録された。3回1死一塁で二ゴロに倒れ、併殺崩れで一塁に残ると、3番・フリーマンの打席で盗塁を試みようとしたが、投手が投げる前に飛び出してしまった。しかし、先発・ヒックスからボールを受けた一塁・ウェードの二塁送球が大谷の右腕を直撃。センター方向に転がる間に大谷は三塁まで到達したが、記録上は盗塁死と悪送球による失策。開幕から9連続で盗塁を決めていたが、判定に泣き、初めての盗塁死となった。
報知新聞社