ライフジャケット未着用 鹿島沖転覆時、乗組員全員 茨城
茨城県の鹿島港沖合でイワシ漁をしていた大津漁協(同県北茨城市)の漁船「第八大浜丸」が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明となった事故で、乗組員全員が転覆時、ライフジャケットを着用していなかったことが9日、鹿島海上保安署への取材で分かった。 船員法は甲板で作業する乗組員らのライフジャケット着用を義務付けている。同署によると、事故後の調べで、第八大浜丸の乗組員が「転覆当時、全員着用していなかった」と説明した。第八大浜丸には救命いかだが搭載され、転覆後にしがみついて救助された乗組員もいた。 ただ、大津漁港幹部は同日の取材で、ライフジャケットについて「出港時は着用を確認していた」と話しており、同署が慎重に調べている。 国の運輸安全委員会は同日、第八大浜丸と船団を組んでいた運搬船と探索船に立ち入り調査を行った。乗組員から事故当時の状況を聞き取ったほか、衛星利用測位システム(GPS)の航跡データを取得した。 事故は6日午前2時5分ごろ発生。乗組員20人のうち17人が救助されたが、日本人男性2人が死亡。男性3人が海に投げ出され、行方不明となっている。 9日は巡視船3隻と航空機1機を投入し、行方不明者の捜索を続けた。
茨城新聞社