規格外の県産モモを使ったカクテルなどが味わえる店を開く岡崎さん

　仙台市出身の岡崎恒人さん（３８）は１７日、福島市新町に規格外の県産果物などをお酒や料理に用いる飲食店「ｅｎｔｒａ（エントラ）」を開く。県産農作物のみずみずしさや味に魅了され、移住と開業を決めた。「。素材を無駄なく多くの人に味わってもらい、農業を盛り上げたい」と意気込む。 　岡崎さんは仙台市で居酒屋やバー、レストランなどに勤務し、福島県産モモのカクテルや県産野菜を使った料理を提供してきた。飲食業に１０年以上携わる中、自然栽培に力を入れている福島県郡山市の酒蔵・仁井田本家とつながりが生まれ、農業への関心も高まった。 　福島市にある妻香央里さん（４３）の実家は果樹農家で、モモやリンゴ、ブドウなどを栽培していた。「規格外の果物や野菜をカクテルや料理に使えないか」。福島市での開業を決意し、４月に家族３人で移り住んだ。日本政策金融公庫の融資を活用し準備してきた。 　新店舗では規格外のモモなどを使ったカクテルに加え、工夫を凝らした郷土料理も提供する予定。ワインや日本酒も豊富にそろえる。店舗運営と並行して就農準備も進め、ゆくゆくは「自分で育てた作物を店で出したい」との夢も描く。仁井田本家専務の内藤高行さん（５２）も「今後もできる限り協力したい」と連携に意欲的だ。

　営業時間は午後５時３０分から午後１１時３０分まで。日曜と隔週水曜が定休。問い合わせはｅｎｔｒａのインスタグラムにダイレクトメッセージを送る。