後半戦は黒星先行。不調を脱したい両雄が8勝目を狙う生田対決! 川崎フロンターレU-18×流通経済大柏高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第16節】
「ボランチだったら守田(英正)選手が好きで、あの落ち着いたプレーはよく見ています」という2年生ボランチは、土屋が欠場した前節もセンターバックに入って、ディフェンスラインに安定感をもたらしている。リーグ戦でも6節以降は全試合にスタメンフル出場。2つのポジションを高水準でこなし、押しも押されもせぬ主力へと駆け上がった楠田の出来が、今節の勝敗を左右することは間違いない。
苦しむチームの雰囲気を劇的に変え得るムードメーカー、齊名優太の奮闘にも大いに期待したい。前節の市立船橋戦ではプレミア初のスタメンに指名され、ボランチの位置で全体のバランスを注視しながら、70分に交代するまで自らの役割をまっとうしてみせた。
この人のいるところには、常に笑顔が付いて回る。試合前の集合写真時に掛け声をかけるのは、川崎U-18の恒例行事。ベンチからも、アップエリアからも、齊名が大声を出して盛り上げることで、グループの空気が明るくなっていくシーンも幾度となく目撃してきた。
U-12時代にはキャプテンとして日本一も経験した、アカデミー生え抜きの元気印。チームに結果が付いてきていない今だから、こういう選手の活躍こそが起爆剤になるはず。今まで溜めてきたエネルギーを爆発させるような齊名の躍動が、リーグ戦5試合ぶりの勝利には必要不可欠だ。
再浮上のきっかけを引き寄せたい流通経済大柏で注目したいのは、スペシャルなドリブルを搭載している亀田歩夢だ。中学時代はテクニックに定評のある選手の揃うP.S.T.C.LONDRINAジュニアユースに在籍。「敵がいてもあまり圧は感じないですし、近ければ近いほど自分の技術は出せるので、どんな敵でもビビることはないですし、ロンドリーナで磨いた足元が今も出ていると思います」と言い切る姿勢が頼もしい。
今やプレミアでも有数のドリブラーとして警戒されている中で、本人は自分の築き上げてきたスタイルに絶対的な自信を持っている。「他の選手のスタイルとは絶対に違うので、まったく一緒の選手もいないですし、真似する選手もいないですし、自分のこのスタイルを良い意味で崩さず、絶対に貫き通して、プロになれたらなと思います」。
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