【Playback箱根駅伝】第95回/出場46回目の東海大が悲願の初V!8区・小松陽平が22年ぶり区間新
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第95回箱根駅伝総合成績をチェック
第95回(2019年/平成31年) 順大・塩尻和也が2区で20年ぶりの日本人最高 青学大が復路5連覇
2018-19年シーズンの学生駅伝は、青学大が10月の出雲、11月の全日本を制し、正月の箱根では初の「2度目の学生駅伝3冠」と、史上3校目の総合5連覇なるかが最大の見どころだった。この王者に加え、出雲2位で全日本3位の東洋大、出雲3位で全日本2位の東海大の2校が優勝争いの軸と見られていた。 また、節目の記念大会として、出場チームが例年の21チームから23チームに拡大された。 1区は前回区間賞の東洋大・西山和弥(2年)が2年連続の区間賞。1秒差で中大、5秒差で青学大と続き、東海大は8秒差の6位発進となった。例年以上の混戦で、先頭から47秒差で15チームがひしめいた。 2区は9位から順位を上げてきた国士大のライモイ・ヴィンセント(1年)が、戸塚中継所直前で先頭を走っていた東洋大を逆転。国士大の2区トップ通過は46年ぶりだった。 さらに、日大のパトリック・マセンゲ・ワンブィは13人を抜き去り、歴代2位の1時間6分18秒で区間賞を獲得した。また、順大・塩尻和也(4年)が、1時間6分45秒(区間2位)をマーク。日本人最高記録を20年ぶりに塗り替えた。 3区は東洋大・吉川洋次(2年)が国士大から首位を奪い返し、独走する。後方からは青学大・森田歩希(4年)が前回2区区間賞の実力を発揮。先行するチームを次々と抜いて、残り1km付近で東洋大をも逆転。7年ぶりの区間新記録となる1時間1分26秒で首位に躍り出る。 4区に入ると東洋大・相澤晃(3年)が快走を演じた。区間記録を1分27秒更新する1時間0分54秒の区間新。ほぼ同じコースで行われた75回大会(1999年)で藤田敦史(駒大)が出した当時の区間記録(1時間0分56秒)をも上回り、後続を2分48秒引き離した。2位は東海大で、館澤亨次(3年)が4位から2つ順位を上げた。 5区は東洋大・田中龍誠(2年)が前回に続いて独走。区間新ペースで走る2位の東海大・西田壮志(3年)を振り切り、再び往路優勝のフィニッシュテープを切った、東海大もも1分14秒差まで縮めて復路逆転につないだ。また、國學院大が往路過去最高順位の3位。6位でタスキを受けた浦野雄平(3年)が1時間10分54秒の区間新で3人を抜いた。 6区も東洋大・今西駿介(3年)が58分台前半の好ペースで駆け下り、首位をキープ。東海大・中島怜利(3年)も詰めたがわずか6秒だけにとどまった。 7区では東海大・阪口竜平(3年)が東洋大を追いかけ、小田原での1分08秒差が平塚ではたったの4秒差に接近。青学大は前回区間新の林奎介(4年)が区間記録には届かなかったものの、2年連続区間賞で3位に進出したものの上位の背中は遠かった。 8区でついに首位交代劇が起こる。東海大・小松陽平(3年)が東洋大・鈴木宗孝(1年)に追いつき、後ろについたままレースを進める。動いたのは14.6km。小松が遊行寺坂の手前で振り切ると、1時間3分49秒で走破。73回大会(1997年)の古田哲弘(山梨学大)が打ち立てた区間記録(1時間4分05秒)を22年ぶりに塗り替えた。 トップに立った東海大は9区・湊谷春紀(4年)、10区が郡司陽大(3年)がともに区間上位で好走。出場46回目にして初の総合優勝を達成。総合タイム10時間52分09秒は、前回Vの青学大から5分30秒も短縮する大会新記録となった。青学大が2位でフィニッシュ。4年間守り続けた王座は失ったものの、復路5連覇を果たす。往路、復路、総合でいずれも異なるチームが優勝したのは、2006年の82回大会以来だった。 シード権を獲得したチームのうち、7位の國學院大は往路に続いて大学史上最高順位。一方で早大は12位に終わり13年ぶりにシードを逃した。金栗四三杯は東海大・小松が選ばれた。
月陸編集部