【広島】育成3位静岡大・安竹俊喜「将来はカープ正捕手」支配下目指し先輩・佐藤啓介の背中追う
先月24日のプロ野球ドラフト会議で、広島から育成3位で指名された静岡大・安竹俊喜捕手(23)が6日、静岡市の同大で松本有史担当スカウト(47)らから指名あいさつを受けた。23年育成2位の佐藤啓介内野手(23)に続く同大3人目のプロ入りとなる扇の要は、早期の支配下登録、正捕手を目指していく。 ◇ ◇ ◇ 歓喜のドラフトから約2週間。静岡大の安竹が、プロ入りへの決意を新たにした。広島の松本担当スカウトらと対面。球団の帽子もかぶせてもらい、緊張した表情が少し緩んだ。「指名あいさつを終えて、実感が少しずつ湧いてきた。『これからプロとしてやっていくんだな』という気持ちが、より強くなった」。言葉にも実感がこもった。 2塁送球タイム1・8秒台の強肩が光る捕手。同スカウトから「肩の強さが1番のセールスポイント。盗塁阻止率の高い捕手になってほしい。争いの厳しいポジションだけど、早く支配下になって、伸びていくような2塁送球を見てもらいたい」と期待を受けた。 昨年、佐藤が静岡大から育成2位で広島入りした。ウエスタン・リーグでは3割を超える高打率を維持し、6月には支配下登録を勝ち取った。安竹は「心強い先輩がいる。プロでも佐藤さんの取り組む姿勢を見て、早く支配下に上がれるように頑張りたい」。憧れの背中を追い続ける。 静岡高では主に控え捕手だった。2年春、3年夏に甲子園出場も公式戦出場は1試合のみ。卒業後は1浪して、静岡大に進んだ。1日約12時間を勉強に費やした浪人時代は、野球からも離れた。それでも「とにかくレベルアップをしたいという意識でやってきた」。大学では2年春から正捕手を務め、同年の全日本大学選手権に出場するなどアピール。決して順風満帆とは言えない道をつなぎ、夢を実現させた。 プロ野球では、世界記録の1492試合連続フルイニング出場を果たし、通算2539安打を記録した元阪神金本知憲氏(56)など、浪人を経験しながら大活躍した先人もいる。「将来は走攻守すべてでレベルの高い選手を目指し、カープの正捕手として長く活躍したい」。飛躍を胸に、挑戦を続ける。【前田和哉】 ◆安竹俊喜(やすたけ・としき)2001年(平13)4月17日生まれ、焼津市出身。小3から大富少年野球クラブで競技を始め、大富中では軟式野球部。静岡高を卒業後、1浪して静岡大。右投げ右打ち。家族は祖父母、両親、弟と妹。178センチ、85キロ。血液型A。