柯文哲前台北市長の保釈決定が取り消しに=高裁 きょうにも地裁が審理へ/台湾
(台北中央社)台湾高等法院(高裁)は29日、台北市長時代の収賄罪などで起訴された第2野党・民衆党の柯文哲(かぶんてつ)主席(党首)ら4人について保釈を認めた台湾台北地方裁判所(地裁)の決定を取り消し、審理を地裁に差し戻すと発表した。台北地裁は、早ければ同日中にも柯主席らを召喚し、差し戻し審を行うとしている。 高裁は、複数の裁判官による審理で、柯主席ら4人の嫌疑が重大で、口裏合わせや逃亡の恐れがあると認定したなどと説明。勾留の必要性はないとする地裁の決定が、判断に必要な説明や逃亡を防ぐ手段の具体的な説明がなされていないと指摘した。また保釈金の額が法益侵害や不当に得た金額と釣り合っているのか、拘束力として十分なのかについても適切な説明がないとした。 台湾台北地方検察署(地検)は26日、柯主席が台北市長在任中に商業施設の建設を巡って事業者に便宜を図った見返りに賄賂を受け取った他、総統選期間中に政治献金を横領したなどとして、収賄や政治献金横領の罪などで起訴した。地裁は27日、保釈金3000万台湾元(約1億4000万円)で保釈を認める決定をしていた。その後台北地検が4人の保釈決定を不服として抗告を申し立てていた。 (劉世怡/編集:田中宏樹)