斎藤・兵庫県知事、百条委初尋問「20m歩かされたことに怒ったのではない」「告発、大変ショック」
斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑などを告発した文書問題で、斎藤知事本人に対する証人尋問が30日、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」で行われた。斎藤知事自身の出頭は初めて。 【画像】斎藤・兵庫県知事、百条委初尋問の様子 ■斎藤知事、改めてパワハラ否定 元県民局長の男性(2024年7月に死亡)による告発文書では、斎藤知事のパワハラ行為をを中心に7つの項目が記されている。 ■20メートル歩かされて怒ったのではない この日の証人尋問で、訪問先の施設に到着した際、公用車を降りて20メートル歩かされたことに激怒したとされる件について、委員から説明を求められた斎藤知事は、「歩かされたことに怒ったのではない。(公用車の)円滑な進入経路が確保されていないことに怒った」と述べた。 斎藤知事は、施設の玄関で待機していた職員2人に「『なぜ、車止めを退けておかなかったのか。外すのを失念していたのではないか』と発言したと記憶している」とした。 そして、「(訪問先での)会議直前だったこともあり、大きい声で、それなりに強く指摘したと思う」と振り返り、「当時の認識としては、合理的な指摘だった」と話した。 ■告発文書、誹謗中傷性が高いと…… 斎藤知事はまた、男性の告発行為を公益通報としての調査を待たずに懲戒処分(停職3か月)としたことについて、「真実相当性に疑問がある。告発文は誹謗中傷性が高い。懲戒処分は適切だった」と話した。 そして「(告発を知り)大変ショックだった。何でこんなことになったのか。(県庁で働く)仲間からこのような文書が出たことは残念だ」と述べた。 斎藤知事は3月20日に告発文書について知り、翌21日に元副知事(当時)や前総務部長ら当時の側近に作成者を調査するよう指示した。 男性の公用パソコンは県当局に押収された。 その解析の結果、男性が勤務時間中にプライベートな文書を作っていたことなどを理由に、県は5月7日、告発文書作成を含む4件の非違行為(服務規定に違反する行為)があったとして懲戒処分とした。 ■厳しい上司だと…… 百条委が実施した県職員へのアンケートに“厳しい叱責”などの記載があったことについて、斎藤知事は「言い方が厳しく、時に大きな声を出してしまったことは、申し訳ないと思っている。厳しい上司だと思われていると思う」と述べた。 ・・・・・・・・・ ■約2時間30分の尋問 就任から3年が過ぎた斎藤知事。尋問の終盤では、兵庫県庁の風土について「私が想定していた以上に、知事がポロッと言ったことが伝わっていくことがあるんだなと思った。自分の言動はより慎重に、襟を正していく」と述べた。 2021年の兵庫県知事選挙で斎藤知事を推薦した日本維新の会の吉村洋文・共同代表や藤田文武・幹事長は、斎藤知事に対する証人尋問の内容しだいで、兵庫県議会で不信任決議案を提出する可能性を示唆したが、斎藤知事は尋問後の報道陣の取材に「仮定の話には答えられない」と述べるにとどまった。 ■尋問終え百条委、「パワハラの事実が浮き彫りに」 斎藤知事への証人尋問を終え、百条委員会が会見を開いた。奥谷謙一委員長は、初尋問で受けた斎藤知事の印象について、「定例会見で述べる内容と変わらず、現時点では説明責任が果たされたとは言えないのではないか」と振り返った。 そして、斎藤知事をめぐる告発文書に記されたパワハラに関するものが、「『パワハラである』と評価するかは今後、委員会で検討することになるが、(前回・8月23日に行われた職員らへの証人尋問も踏まえ)さまざまな事実が浮かび上がった」と述べた。 ・・・・・・・ 百条委は9月5、6日にも開かれ、斎藤知事は6日に再び出頭する。この日は告発文書をめぐる公益通報制度の運用のあり方や、物品受領(告発文書では「おねだり」と表現)疑惑について尋問する。
ラジオ関西