イスラエル、コロンビア産石炭供給を失う恐れ-ガザ紛争巡り
(ブルームバーグ): コロンビアの商工観光省は、イスラエルへの石炭販売を制限するよう呼びかけている。イスラエルによる攻撃でパレスチナ自治区ガザで死者数が増加する中、ユダヤ人国家を孤立させる狙いがある。
ブルームバーグが閲覧した内部文書と事情を直接知る関係者によると、同省は関税と対外貿易を管理する委員会に対し、石炭出荷を「制限」するよう勧告した。
イスラエルと中南米諸国との関係は今年に入って悪化しているが、これまでは貿易制裁ではなく、主に外交を通じて表明されてきた。コロンビアはイスラエルにとって最大の石炭供給国であり、昨年は約4億5000万ドル(約700億円)相当の石炭を輸出した。
同省は石炭規制は「武力紛争の終結に役立つ」ことを意図したもので、紛争終結まで継続すべきだとしている。
コロンビアとイスラエルは歴史的に良好な関係を持ち、2020年以来、自由貿易協定が発効していた。しかし、ここ数カ月で両国関係は急激に悪化し、コロンビアのペトロ大統領はガザ侵攻を 「ジェノサイド(大量虐殺)」だと糾弾。イスラエルのネタニヤフ首相はペトロ大統領を 「反ユダヤ主義的なハマス支持者」だと非難した。両国は5月に国交を断絶した。
事情に詳しい関係者によれば、輸出制限を実施するかどうかの判断は早ければ6日に下される可能性がある。コロンビアの大統領府と商工観光省にコメントを求めたが、通常の業務時間外で返答は得られていない。
原題:Israel Risks Losing Colombian Coal Supplies Over Gaza War(抜粋)
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Oscar Medina