岡田准一の事務所に所属、話題の俳優、山﨑翠佳（石井健撮影）

山﨑翠佳（やまざき・すいか、24）の初主演映画「カフネ」（杵村春希監督）が公開中だ。9月に俳優、岡田准一（43）の新事務所「AISTON」に新たに所属したと発表したのも話題。注目の新進俳優だ。 【写真】自主映画ながら初主演映画が公開中の俳優、山﨑翠佳 ■演技とは優しさ お茶の水女子大で心理学を学んだ才媛。心理カウンセラーの資格も持つ。 平成12年、兵庫県宝塚市出身。小学2年生の頃、劇団四季のミュージカル「エルコスの祈り」を見て「すごくポジティブな気持ちになれたことが、俳優を目指した原点かもしれません」と振り返る。 中学1年からダンスを習い、ミュージカル「エリザベート」にあこがれ、17歳で映画「手紙」（生野慈朗監督）に号泣したのが決定打となり、「得体の知れない力を感じた。これが芸術の力。私も演技をしたい」と俳優を志した。 大阪で演技を学び、「演技を理解するにつれ、想像力を持つことは世界に対して優しさを持つことなのだと理解しました。やっぱり俳優になるしかない」と、いよいよ決意を固めた。 「人間を理解できないと演技はできない」と大学で心理学を学び、在学中に芸能事務所に履歴書などを持ち込み、令和2年にデビューを果たした。 コブクロの「卒業2022ver」のミュージックビデオで得意のダンスを披露し、今年は主人公の大学の同期生役でNHK連続テレビ小説「虎に翼」に出演した。 「大勢のスタッフが、こういうふうにしてドラマを作っているのか」。話題作の舞台裏に圧倒されたが、役作りの楽しさ、苦しさを改めてかみしめた。 ■テーマはコミュニケーション そして、初めての主演映画「カフネ」が東京で公開中だ。大阪芸術大の学生たちが三重県熊野市でオールロケで撮った異色作。自主映画だったが映画祭などで話題となり、ミニシアターでの公開にこぎつけた。 山﨑は、オーディションをへて主役に選ばれた。 山に囲まれた小さな港町で同級生の子を身ごもった高校3年生の葛藤と決断を描く。海に向かって下っていく坂道、親友と並んで腰かける防波堤など、港町の美しい景色をとらえた、みずみずしい映像が魅力的だ。 「台本を読み、主人公、瀬川澪の言葉は私が言いたいと願いました。澪役に選ばれたときは、ほんとうにうれしかった」と山﨑は、オーディションを振り返る。