性能はChatGPT超え?注目の「Claude3」、オープンAIの脱藩組が作った生成AIとは…GeminiやCopilotも交え競争激化
米スタートアップが2024年3月に発表した生成AI「Claude(クロード)3」が注目を集めています。生成AIは米オープンAIが「ChatGPT」を2022年11月に発表してから、米アルファベットが「Bard(後にGeminiに改名)」を公開して猛追するなど、開発競争が激しくなっています。「Claude3」の開発会社は、生成AIの能力を測る様々な指標でChatGPTを超えたと表明。実際に利用したユーザーからは日本語能力の高さを評価する声も聞かれます。「Claude3」とはどのような生成AIなのか。やさしく解説します。(JBpress) 【表】Claude3は他の生成AIとどう違う? ■ アマゾンが6000億円出資 「Claude(クロード)3」は米スタートアップのAnthropic(アンソロピック)が2024年3月に発表した生成AIです。生成AIとは学習したデータをもとに、文章や画像など様々なコンテンツを作り出すAIを意味します。有名な生成AIとしては、米オープンAIの「ChatGPT」が挙げられます。 アンソロピックはオープンAIの元幹部らが独立して2021年に設立しました。23年7月に前モデルの「Claude2」を発表しており、今回のClaude3はその最新版という位置づけです。 業界からの注目度は高く、米アマゾン・ドット・コムはこれまでに総額40億ドル(約6000億円)をアンソロピックに出資しています。米Zoomも23年に、ClaudeをZoomのプラットフォームに統合することを狙い、戦略的提携と出資を発表しました。Googleとも協力関係にあり、Google Cloudで各種機能を提供しています。
■ 大量の文章の処理が得意 そもそもClaude3はどのようにして使うのでしょうか。 まずClaude3には性能が異なる3つのモデルがあります。性能が高い順に「Claude3 Opus」「Claude3 Sonnet」「Claude3 Haiku」といいます。Haikuは性能では上位2モデルに劣りますが、低コストで高速なモデルです。利用者は求める性能とコスト、速度に応じてモデルを選択します。 月額20ドルの有料版に登録すると、Opus以下すべてのモデルを使うことができます。無料版だと、利用できるのは一部のモデルのみです。いずれもスマホアプリはなく、ウェブサイト上で利用します。アプリケーション同士でデータをやり取りするAPI(Application Programming Interface)という仕組みを使う場合は従量課金制で、使用するモデルによって価格が変化します。 Calude3の特徴は、大量の文章を処理する能力が高いことです。長い文章を読んで要約することなどを得意とします。 Claude3は一度に20万のトークンを処理することができます。トークンとは、dogやpenなど、文章を分割する際の最小単位のことで、生成AIはトークンと呼ばれる単位に分けてテキストデータを処理しています。 オープンAIの生成AI「GPT-4」の基本的なモデルが一度に処理できるトークン数は8192で、23年11月発表の「GPT-4 Turbo」では12万8000(一般的な書籍の300ページ以上に相当)まで引き上げられましたが、Claude3はそれを上回っています。さらにClaude3は一部の利用者に対して、100万トークン超を処理できるようにしています。