金沢マラソン、完走の翌日は観光 ツアーで散策、金箔貼り体験
第10回金沢マラソンに出場し、金沢市内で宿泊したランナーたちが28日、まちなかに繰り出した。記録更新や完走を目指した大会とは一転、多くの県外ランナーがコース周辺の歴史的な町並みをじっくりと散策した。ツアー金箔(きんぱく)貼りや和菓子作りも体験し、文化観光を満喫した。 出場権付きツアーに参加した約100人は午前9時に金沢駅に集合し、3組に分かれ、酒蔵や兼六園などを巡った。 森戸2丁目の箔一本店箔巧館(はくこうかん)では約30人が箸に金箔を貼った。「太鼓の応援でリズムに乗れた」「能登のお菓子がおいしかった」などと金沢マラソンの魅力を語り合いながら、作業を進めた。 東京の会社員ワイス三枝(みえ)さん(54)は「金箔を貼るところは見たことがなかったので面白い」と関心を寄せ、同じく東京の会社員井筒敦子さん(57)「金沢の良い思い出になった」と笑顔を見せた。 ツアー参加者はひがし茶屋街にも足を運び、雨にぬれた石畳の通りを歩いて茶屋街の風情を堪能した。東京から金沢マラソンに初めて出場した会社員藤田洋一さん(61)は「ゆっくりと街を見て回ることができた」と満足そうに話した。 金沢マラソンは県や市、北國新聞社などでつくる組織委員会が主催した。 ●「能登に応援届けた」村山市長が来社 村山卓市長は28日、北國新聞社を訪れ、砂塚隆広社長と懇談した。金沢マラソン組織委員会長の村山市長は10回目の開催となった大会について、沿道で能登のランナーに対するエールが多く上がったとし、「能登に応援の声を届けた。被災地を勇気付けることができた」と振り返った。 今大会は能登半島地震や奥能登豪雨の被災者を支援するイベントに位置付けられ、チャリティー募金は837万210円集まった。参加者は過去最多の1万5112人となり、村山市長は「天候にも恵まれ、金沢のまちを味わってもらった」とも語った。県庁で馳浩知事にも大会の成功を報告した。