今年からテスラの充電器を使用…現代自動車、北米攻略へ「フルアクセル」
現代(ヒョンデ)自動車グループが大型SUV(スポーツ用多目的車)エコカーを前面に出し、北米市場への攻略を強化する。アイオニック9とパリセードのハイブリッドを主力モデルとして発売する予定だ。今年から現代自動車の購入顧客がテスラの急速充電器(スーパーチャージャー)を今年から利用できるようになった点も販売拡大に影響を及ぼすものとみられる。 2日、現代自動車グループによると、現代自動車・起亜(キア)自動車は昨年11月まで米国で電気自動車・ハイブリッドカー31万台を販売し、過去最高の実績を記録した。前年同期比22%以上増えた。先月の販売推定値まで合わせると、年間販売台数は33万8000台あまりに及ぶ見通しだ。 特に昨年1月、「北米2024年今年の車」に選ばれた起亜自動車の大型電気SUVのEV9は、昨年米国だけで2万台以上売れた。2019年の北米発売後、ずっと年間9万台販売の壁を越えることができずにいたパリセードも、昨年は10万台以上売れたことが分かった。パリセードは今年、第2世代ハイブリッドカーを米国で発売する予定で、販売台数の拡大につながるか期待を集めている。下半期には現代自動車の大型電気SUVアイオニック9と起亜EV9の高性能バージョンのEV9 GTも発売される。大型車を好む米国市場を考慮し、大型SUVエコカーで勝負する戦略だ。 現代自動車・起亜自動車が発売計画を相次いで控えている状況で、主力電気自動車モデル5種が米国政府の電気自動車補助金支給対象に含まれたのも好材料だ。米エネルギー省は1日(現地時間)、現代自動車のアイオニック5、アイオニック9、起亜自動車のEV6、EV9、ジェネシスGV70などを補助金支給対象に含めたとホームページに公開した。 米国政府は2022年8月に施行したインフレ抑制法(IRA)に基づき、バッテリーと主要鉱物に関する原産地の要件を満たし、米国で製造した電気自動車を購入する消費者に1台当たり最大7500ドルを税額控除の形で支援する。現代自動車グループはこの条件を満たすため、昨年末からジョージア州のメタプラント工場(HMGMA)をはじめ、現代自動車のアラバマ工場、起亜自動車のジョージア工場などで米国発売用電気自動車モデルを生産している。 これまで韓国国内で生産した電気自動車を米国で販売していた現代自動車グループは、独自の割引などのインセンティブを提供してきたが、今年米国生産の主力モデルが補助金支給対象に含まれ、価格競争力を高めることができるようになった。 現代自動車が今年から北米の顧客にテスラ北米充電標準アダプター(NACS)を提供することにした点も販売拡大に影響を与えるものと見られる。北米には3万6000個余りの電気自動車充電器があるが、テスラの急速充電器スーパーチャージャーが2万個余りで最も多い。30分で80%まで充電できる性能で、消費者の人気が高い。現代自動車の電気自動車の所有者は、これまでこのような特典を享受できなかったが、アダプターが提供されれば充電の利便性が高まる可能性がある。 世界1位の日本トヨタ自動車も今年、エコカーの販売に集中する。トヨタは昨年、米国市場でハイブリッド車を前面に出し、エコカー販売の割合を販売台数全体の50%まで引き上げた。2030年までにエコカー販売の割合を80%水準に引き上げるのが目標で、現代自動車・起亜自動車との激しい競争が予想される。 世界の電気自動車市場の変数は、今年も中国の電気自動車だ。比亜迪(BYD)などが低価格で性能が良くコスパの良い電気自動車販売の舞台をアグレッシブに拡張しているからだ。ブルームバーグ通信によると、BYDの昨年の販売台数は176万台で、前年比41%成長した。BYDの年間売上が初めて1000億ドルを突破する可能性もある。BYDは今月、韓国市場にも公式デビューする予定だ。小型SUVのATTO3、中型セダンのシールなどで韓国市場を狙う。