練習のしすぎは逆効果!? イップスは“技術”の問題ではなかった【ゴルフイップス解体新書#1】
GD 脳の誤作動? 石井 はい。そもそも練習というのは、ある動きをスムーズかつ調和的に実行できるように脳に学習させることです。しかし学習された動きが、意に反して全く違う動きとして実行されてしまうことがある。脳の誤作動によって本来の動きができなくなってしまう状態こそが、イップスと呼ばれる症状の正体なんです。 GD それは練習によって克服できるものではないのでしょうか? 石井 練習の質や内容次第です。ただ、自分1人で症状をどうにかしようとやみくもに練習するのは、むしろ逆効果。症状を悪化させてしまう可能性すらあります。 GD ええっ!? そうなんですか? 石井 専門的には「過剰学習」と言われますが、あることを“不必要に”やりすぎることで、もともと調和的に働いていた脳に不具合が生じて、できることができなくなったり、おかしな動きをするようになったりするのです。 GD み、耳が痛い……。では、いったいどうすれば? 石井 まずはイップスの原因=脳の誤作動にはどんなパターンがあるかを知ること。イップスの原因には、大きく3つのタイプがあると私は考えています。 GD 教えて下さい! 石井 では次回、3つのタイプについてお話しします。 ■石井 亘 いしい・わたる。ゴルフ好きのメンタルコーチ。「本来の力を発揮させる!」を信条に、20年にわたり、プロやテスト受験生、アスリート、音楽家、医師、経営者、中高生など1000人近くを指導。「メンタルトレーニング石井塾」主宰