「ライオン・キング」30周年のいま、はじまりの物語を描く意義とは? キャスト陣が作品に込めた想いを明かす
ディズニーの超実写版「ライオン・キング ムファサ」でムファサ役の声を担当したアーロン・ピエールと、タカ役(若き日のスカー)のケルビン・ハリソン・Jrが、「ライオン・キング」誕生から30周年を迎える今、まぜ“はじまりの物語”が描かれることになったのか、その意義を語っている。 【フォトギャラリー】前作からさらに進化した超実写版「ライオン・キング ムファサ」場面写真 アフリカの大地を舞台に生命をテーマに描いたアニメーション映画「ライオン・キング(1994)」は、映画賞、音楽賞を総なめにし、2019年には超実写版が公開。ディズニー映画として世界歴代映画興収No.1となる約16.6億ドルを記録した。 今作では、「ライオン・キング」で息子シンバを命がけで守ったムファサ王と、ムファサの命を奪った“ヴィラン”スカーの若き日が描かれる。冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指す旅の過程で孤児から王へ運命を切り拓くムファサ。そして、彼の運命を変える“弟”タカ(後のスカー)。血のつながりを超えた兄弟の絆に隠された秘密が明かされる。超実写吹き替え版では、ムファサ役を尾上右近、タカ役を松田元太(「Travis Japan」)が務め、渡辺謙がムファサとタカを追い詰めるキロス役で参加している。 英語版でタカ役を務めたハリソン・Jrは、既に完成形として愛され続けている名作に新たな要素が加わることについて、「とてもクールな機会なんです」と自信をにじませる。その理由について、「『ライオン・キング』の魅力は、ムファサが中心にいたところにもあると思うんです。既にそこで、兄弟であるムファサとスカーについての物語が描かれていた。だからこそ、ふたりのまだ語られていない部分、何がきっかけでふたりの関係が始まったのか? シンバがスカーに狙われるようになったきっかけは何だったのか? ムファサがプライドランドの王になったキッカケはなんだったのか?が明かされるということはとてもクールなことだと思います」とコメント。 そして、「『ライオン・キング』は進化し続けています。どうすればもっと人間らしさを出せるのか、もう少しリアルに感じさせるためにできる事をできることは何かを見つけようとしたんです」と説明し、「『ライオン・キング ムファサ』では、1994年のアニメーション版のようなハートを持ちながら、そこで何が問題だったのかという根本的な部分に迫っています。“(ムファサとスカーの身に)何が起きているのか? 彼らは実際どう感じ、どのように繋がっているのか?”を新たに掘り下げる理由はそこにあると思います」とその意義を語っている。 ムファサ役のピエールも、デジタル技術が発達し、常に誰かと遠隔で繋がれる今の時代だからこそ、仲睦まじかった頃のムファサとタカの物語が大きな意味を成すと語る。ピエールは「脚本の中で、ムファサとタカはただ一緒に外にいて、新たな自分を発見したり、新しい世界を発見したりするんです。そういったシーンは本当に活力を与えてくれます」と映画の見どころを明かすとともに、「僕も実際に、この作品を通じて思春期のある瞬間を思い出しました。僕はテクノロジー・ブームの少し前の世代の人間ですが、思春期の多くを、友達と一緒に自転車に乗って外に出て、自分たちが住んでいる街を探検しながら過ごしました。そこでたくさんの喜びを得ることができたんです。この物語を通して、新たな世界を発見する足掛かりにしてもらえたら嬉しいです」と呼びかけた。 「ライオン・キング ムファサ」は12月20日から全国公開。