文楽・吉田玉女が春に「玉男」を襲名 ── 2代目としての決意や師匠の思い出
文楽がさらに盛り上がっていくよう僕も頑張りたい
──最後に、お客さんへ文楽の魅力をお願いします。 文楽っていうのは人形だけでなく三業。大夫、三味線、人形の3つ、それぞれに魅力があります。大夫の語り、三味線の音、人形の遣い、それらがうまく合うとすごくいい舞台ができる。文楽を引っ張ってこられた方々(住大夫、源大夫)が引退されて、大夫さんはたいへんと思いますが、一緒に頑張っていきたいと思っています。お客さんはお金を払って観に来てくださっているのやから。また次も観にいこかって思っていただけるように文楽自体がしっかしないといけない。若い人に喜んでもらえるよう、三谷文楽(三谷幸喜作)や夏休み公演で好評やった「かみなり太鼓」のような新作にも力を入れていますが、そこを入り口に古典を見てもらいたいんですね。文楽がさらに盛り上がっていくよう僕も頑張っていきたいと思います。 2015年の幕開け、国立文楽劇場開場30周年記念・初春文楽公演は1月3日から26日まで、国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋)で行われる。3日の第1部開演前/1階正面玄関前には劇場前で文楽人形による鏡開き、7日までは新年ご挨拶と手ぬぐいのプレゼントも。 ■吉田玉女(よしだたまめ) 1953年10月6日大阪府出身。1968年 吉田玉男に入門、吉田玉女と名のる。1969年大阪朝日座で初舞台。玉男の下、立役の遣い手として修業を積み、師匠の当たり役を継承。2012年に伝統文化ポーラ賞優秀賞、2014年に芸術院賞を受賞。2014年2月、二代目吉田玉男襲名を発表。2015年4月に大阪・国立文楽劇場、5月に東京・国立劇場で襲名披露公演。